スズキ「新型コンパクトSUV」登場! 斬新“ゴツゴツ”デザイン×日本風のインテリア採用! 今夏にも登場の新たな“スズキの要”「新型eビターラ」デザインの特徴は?
インテリアのキーワードは「“抜き・隙き・浮き”」
続いて、インテリアのデザインについて、林田さんに話を伺いました。

Q:インテリアの特徴について教えてください。
林田さん(以下、敬称略):ガソリン車の「ビターラ(日本名エスクード)」は、SUVで機械式のドライブシャフトが床下を通っていましたので、インテリアもそれをなぞるような形でT字のインパネを配し、見やすくしていました。
そのプロポーションは引き継ぎつつも、ハイテクな部分としてIDS画面(大型のスクリーン)や、2階建てのコンソールで新しい時代のEV×SUVというコンセプトに沿って表現しました。
Q:その新しい時代を表現したポイントはどういうものでしょう。
林田:実はちょっと変わったインテリアデザインの捉え方をしています。それは“抜き・隙き・浮き”という日本語を解釈することで、それらを達成することで次の世代の表現を組み立てました。
例えば、“抜け”でいえばコンソールは2階建てで、本当に穴が開いていますよね。“透き”は透明感。透明素材はなかなかハードル高いのですが、ハザードボタンやスタートスイッチはクリア層を設けています。
最後の“浮き”は、インパネをあえて全部色をつなげないようにして矩形(くけい)でくくりました。
そしてドアハンドルの周りのシルバーの加飾あたりにアンビエントライトを仕込み、同じくコンソールの下にも配することで、ふわーっと浮いて見えるような感じに見えます。まさにEVがスーッと走っていくイメージですね。
Q:ドアを開けた瞬間にシルバー加飾で囲まれたエアコンの吹き出し口と、ブラウンのインパネが目に飛び込んできますね。
林田:これらはまさにスズキらしさと新しさを模索した結果です。この吹き出し口ですが、いまのトレンドは薄くて見えないベンチレーションだと思うんですよ。
しかし、例えばインドは暑くてエアコンを浴びたいよという要望が強い国もありますし、SUVの機能性の部分も忘れてはいけないということで、あえてここはアイコニックに見せた形であり、配置にしています。
それが先程の“浮き”というテーマの中に溶け込んだような。仕立ての良い4連にしました。
軽であれば「ハスラー」の丸3つのようなものも記憶に残りますが、そこまでコミカルなキャラクターにする必要はなく、大人びた中で機能性然としたところが伝わるようにしています。
もうひとつ、インパネからドア周りまで矩形で括り、広くして見せるために色をつなげていくのはいわば常套手段です。さらにそうすることで、インパネがドアハンドルのシルバー加飾あたりまでつながっても見えるんですね。
そのうえで実はドアハンドルの後ろ側や下側は大きくえぐっているんです。そこにアンビエントライトが光るので、端がどこにあるかわからなくなってより広がって見える工夫をしています。
※ ※ ※
BEVの主力グローバルカーとして登場したeビターラ。その走りは十分に満足のいくものであり、そのイメージを裏切らないデザインをまとわせたデザイナーの手腕も見事です。
あえてEVらしさを強調しすぎないそのデザインには好感が持てました。



































































