日産「新型スカイライン」登場へ 10年以上ぶりの“全面刷新”で「純ガソリン廃止」!? “急ピッチ開発”が進む「伝統と憧れのモデル」 販売店とオーナーはどう感じたのか
日産「スカイライン」次期型の開発が明らかになりました。販売現場やスカイラインオーナーはどう感じたのでしょう。
次期スカイラインの開発が決定 販売店のスタッフやオーナーの心境は
2025年5月に発表された日産自動車の経営再建計画「Re:Nissan」において、新型「スカイライン」の投入があきらかとなりました。
では、販売現場やエンドユーザーからはどのような反響なのでしょうか。

先述した日産自動車の経営再建計画「Re:Nissan」には、2026年度までに自動車事業の営業利益などの黒字化を目指す取り組みや、固定費と変動費で計5000億円のコスト削減(2024年度実績比)、人員を2万人削減し、生産工場を17から10へ削減するといった内容が盛り込まれました。
そのなかには部品種類を70%削減し、プラットフォームの統合と最適化を進めつつ、プラットフォームの数を2035年度までに現在の13から7に減少させることも含まれています。
今後登場が予告される新型車は、リードモデルの開発期間を37ヶ月、後続モデルの開発期間を30ヶ月へと大幅に短縮するという急ピッチの開発を推進中とし、そのなかに「次期スカイライン」との記述があったのです。
ちなみに、現行モデルの13代目スカイラインのデビューは2014年2月と、すでに11年が経過したモデルです。
これまでに何度も改良が実施され、最新の運転支援「プロパイロット2.0」採用のほか、ハイブリッド仕様や2リッターターボ車の設定など、バリエーションも豊富でしたが、今ではほとんどが販売を終了し、出力の異なる2タイプの3リッターV型6気筒ツインターボ車に集約。
クルマとしての古さも隠しきれず、いよいよ歴史の長い名車スカイラインに終止符が打たれるのではないかとも言われていました。
そんななか、日産の経営再建計画という重要な場において「次期型スカイライン」の言葉が発せられたことに対し、大きな話題に。
では、販売店のスタッフ、そして何よりスカイラインのオーナーはどのように感じているのでしょうか。2025年6月下旬のある日、それぞれの声を聞いてみました。
「何人かのお客様から『発売時期など、新型スカイラインに関する情報はないのか』といったお問い合わせをいただきましたが、販売の現場にはまだ何も情報が届いていないのが現状です。
つまり、得られる情報はいまの段階では一般のお客様とほとんど変わらないレベルです。
いま、スカイラインをお選びいただいているお客様は50代後半〜70代くらいの方が中心で、『子育てがある程度落ち着いてきて、もう1度スカイラインに乗りたい』という想いをお持ちの方が多い印象を受けます。
なかには『GT-R』も憧れたし、特別な『NISMO』にも惹かれるけど、さすがに値段がね…というお声をしばしばいただいております。
ともあれ、『純内燃機関のスカイラインをいまのうちに手に入れておきたい』という想いは皆さまで共通しているようです。
そこへ、2019年7月に追加された(最高出力405psの高性能版)『400R』がピタリとハマるようなんですね。BCNR33型『スカイラインGT-R』で限定販売された『NISMO 400R』を思い起こさせるモデル名も人気のひとつだと感じています。
次期スカイラインのスペック次第では、駆け込み需要があるかもしれないと期待しています」
続いて、実際に現行型スカイラインのハイスペックモデル「400R」を所有する60代のオーナーさんの声を聞いてみました。
「最近の日産に報道にはがっかりさせられることが多いけれど、新型スカイラインが開発されるという報道は正直言ってうれしかったですね。
若いときにスカイラインに憧れて、若いときにはR32型の『GTS-t タイプM』を改造して乗っていた時期もあります。
スカイラインGT-Rは中古でも手が出ませんでしたし、現行モデルも高嶺の花です。
そんなとき、400Rが発売されると知り『これこそが俺が求めていたスカイラインだ』と感じ、無理をして手に入れました。
2ドアなら即刻で却下されるけれど、4ドアであれば妻も説得しやすいですしね(笑)。
高級感がありながら、スポーティに走ってくれる、スカイラインらしいクルマだと思います。
次期スカイラインには期待しているけれど、パワートレインとかどうなるんでしょうね。仲間内でもこの話題でもちきりです。
純ガソリンエンジンでなくなったら…この400Rに乗り続けるんでしょうね。すごく気に入っているので、買い換えようって気持ちが起こらないんですよね」
現行モデルのスカイラインの車両本体価格(消費税込み)は456万9400円〜947万9800円、400Rは589万9300円です。
次期スカイラインも気になるし、現行モデルも決して安い金額ではありません。
しかし、スカイラインに憧れ、いつか手に入れたいとしたら…。
「買う」か「諦める」かを決断しなければいけない時期は、ひょっとしたらそう遠くないのかもしれません。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

















































































