1990年に登場したトヨタ「エスティマ」は、“高性能ニューコンセプトサルーン”として注目を集めました。

　また、「天才タマゴ」のキャッチコピーの通り、独創的で未来的なワンモーションフォルムとエンジンを床下に置くミッドシップレイアウトで広大な室内空間を実現し、国内におけるミニバン市場を開拓した草分け的存在としても知られます。

　初代は北米でも「プレビア」の名で販売されましたが、その後を継いだ北米専用の初代「シエナ」が1997年に登場してからは、現在まで独自路線を貫いています。

　現行型プレビアは、2020年に登場した4代目。「アルファード」よりさらに大きい全長5173mmという堂々たるボディを持ち、北米市場に特化したフルサイズミニバンへと成長を遂げています。

　一方、国内では3代目まで続いたエスティマですが、2019年末に生産を終え、惜しまれつつも絶版モデルとなりました。

　ミドルクラスの「ノア／ヴォクシー」と、ラージクラスの「アルファード／ヴェルファイア」に吸収されたカタチですが、ちょうど両モデルの中間に位置する独自のポジションはその後も空席のままです。

　デビューから5年が経過し次期型への期待も集まるシエナと、絶版となってから同様に5年が経過してもなお、後継モデルを待ち望む声が絶えないエスティマ。

　同じ系譜を始祖に持つ二つの流れが交差するなか、次期型シエナの予想レンダリング（イメージCG）が公開されました。

　このレンダリングは、カーデザイナーの「Theottle」氏が2025年2月、自身の公式YouTubeチャンネルやInstagramなどに公開したものです。

　現在のトヨタ車に共通する「ハンマーヘッド」デザインが目をひきますが、最新の「クラウン」シリーズや「プリウス」などにも通じる意匠であり、ミニバンでありながら極めてスタイリッシュでスポーティな印象を与えます。

　全体のシルエットは、北米で「クラウン シグニア」として販売される新型「クラウン エステート」からインスピレーションを得ており、シャープなヘッドライトユニットと伸びやかなサイドのキャラクターラインによる流麗なフォルムが描かれています。

　またリアには薄型の横一文字LEDテールランプが配置され、ワイドな印象を強調しました。

　レンダリングはあくまでもTheottle氏個人による予想であり、公式な発表ではありませんが、すでに市販モデルで採用されているデザインをモチーフにしたこともあって、非常に現実味のある印象を与えています。

　同氏の投稿にも「次期シエナが現実にこうなれば良いのに」「エスティマ後継モデルとしても相応しい」などと、大いに注目を集めているようです。

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　そんな新型ミニバンの予想CGに対し、SNSなどにはさまざまな反響が寄せられています。

　まず目についたのは、「また復活しないかな」「エスティマって今思うとちょうどよかった」「箱型じゃないのが格好良くて好きだった」など、今なおエスティマに対する熱い想いを語る声の多さでした。

　レンダリングに対しては「次期エスティマというのは無理がある」「北米サイズはさすがに大きすぎる」「やっぱタマゴ型じゃないとエスティマとは呼べない」といった否定的な意見も数多くみられましたが、「初代のエミーナ／ルシーダみたく、シエナの小型版が出たら面白いのに」との少数意見もあります。

　このように国内外で多くの声を集めた新型ミニバンが現実のものとなる日が、今から待たれるところです。