「駐車券なし」「ゲートなし」の駐車場が増加中! でも「料金踏み倒し」「払い忘れ」は起きない? 「悪質利用者」どうしてる? メリット多い「革新的な駐車場」の驚くべき実態とは
「性善説」で大丈夫なのか? 「悪質利用者」にはどうする
利用者や駐車場の管理者だけでなく、地域の防犯にもつながるなど、メリットが多いナンバー読み取り式駐車場ですが、やはりデメリットもあります。
それが、「駐車料金の踏み倒し」や「精算忘れ」です。
![ナンバー読み取り駐車場のイメージ[画像:PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2025/12/20241212_coinP_003.jpg?v=1733997650)
フラップ式やゲート式の駐車場は、料金を支払わければ物理的に塞がれているため、出庫することができません。
いっぽう、ナンバー読み取り式駐車場の多くは、入口に読み取りカメラが設置しているのみ。やろうと思えば、金を払わずにいくらでも好き勝手出入りできてしまう状態にあります。
こうした点から、ある意味「みんなが決まりをまもってお金を払うだろう」という“性善説”において成り立っていると見ることもできます。
しかし実は、そういった「金を払わない悪質利用者」への対策も万全なのです。
ナンバー読み取り式駐車場では、システムにおいて支払い忘れの未払い駐車料金の共有が行われています。
システム上で、店舗にかかわらず未払いがデータベース化されており、精算機では未払いの当該駐車場でなくても、警告や請求を出すことが可能です。
何度も未払いを繰り返す悪質な利用者には、その情報がどんどん記録され、撮影したナンバープレートや車両の画像、駐車場の累積データなどを活用して、警察などに通報したり、証拠を押さえて事件として立件することも容易になります。
ちなみに、「払い忘れ」の場合でも、ほかの駐車場出庫時にまとめて精算できるほか、アプリなどで精算できる駐車場もあるため、サービス提供会社によると、99%の利用者から料金の回収ができるとしています。
いっぽう、利用者側からみたデメリットもあります。精算時にナンバープレートの下4桁を入力するため、「自車のナンバープレートを覚えていないといけない」点です。
例えば自分で所有するクルマや、希望ナンバーなどで好きな数字を選んでいるなら問題ありませんが、レンタカーや社用車、代車など自分のクルマではない場合などは、いちいちクルマまで行って確認する手間がかかります。
ただし、これについては先出の通り、アプリで精算できることや、停めたときにスマホなどでクルマの写真を撮っておくという方法で対処ができるため、大きなデメリットにはならないでしょう。
※ ※ ※
ナンバー読み取り式駐車場は、IT技術やカメラ認識機能の発達により誕生した、新たな駐車場の形です。利用者だけでなく、駐車場の管理会社、さらには地域の安全にも寄与する画期的なものといえます。
スムーズな入庫や精算などは、渋滞やアイドリングの削減に繋がり、CO2削減のほか、駐車券を発行しないことで紙資源の節約にもつながります。
今後のさらなる浸透にも、期待がかかります。
Writer: 伊勢崎剛志
自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。











































