フロントガラスの「ナゾの“▲マーク”」何のため!? 意味が分かるとスゴい! ちょうど「目に入る」位置にある「ホンダ車の“謎のしるし”」の正体とは
クルマのフロントガラスのふちに、小さな三角形(▲)が備わっている場合があります。実は重要な「しるし」だという謎の「▲マーク」について紹介します。
高価なセンサー類に頼ることなく「事故軽減」に効果を発揮!?
ホンダ車のフロントガラスの内側には、Aピラー(ガラスを支える柱)との境目あたりに小さな三角形(▲)のマークがあります。
何気ない「しるし」のようですが、実は重要な役割を果たしているものだといいます。

ホンダ車のフロントガラスに備わっているのは、ドライバーの視線の少し上、約5ミリの大きさで左右向かい合うように配置された小さな▲(三角)マークです。
初めて採用されたのは、2008年に登場したコンパクトミニバン「フリード」でした。
現在ではほぼすべてのホンダ車に装備され、最新モデルにも設置されています。
ホンダはこの三角形マークについて、「ドライバーの視線を自然に補正するという重要な役割がある」と説明します。
これは、熟練ドライバーと初心者ドライバーの「視線移動」の違いについて研究していた過程で発見されたものだそうです。
実験は、幅3メートルほどの狭い道の左折といったいくつかのシチュエーションでおこなわれました。
その際、熟練ドライバーは主に水平方向に視線が移動しているのに対し、初心者ドライバーは視線が上下左右に散らばりがちで、安定していなかったといいます。
この結果を受け、視線の動きを無意識のうちに補正する手法として、ホンダは小さな三角マークをフロントガラスに配置することを考案しました。
三角マークのしるしによって、視線を左右に振る場面で熟練ドライバーと同じ視線移動ができるよう、自然に誘導してくれるという狙いです。
テスト車両に装着し、年齢や性別、体格が異なるホンダ社員30人で検証したところ、左折時の車両と壁までの距離のばらつきが大幅に減少し、より安定した運転が可能になったといいます。
視線の乱れ、特に縦方向のブレが抑えられたことで、車幅の把握がしやすくなったものと推察されます。
しかも、ドライバーに意識させることなく効果が出たという点に驚かされます。
※ ※ ※
高価なセンサーやカメラなどを用いた先進運転支援機能を使用することなく、低コストで接触事故軽減の効果を示したという三角マーク。
今度ホンダ車に乗る機会があったら、フロントガラスに備わるエンジニアたちの「知恵の結晶」について、あらためてチェックしてみてください。
Writer: くるまのニュース編集部
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