新型「クーペSUV」登場! 8年ぶり全面刷新の全長4.5m“新フラッグシップ”はどんな車? 「リッター19km」走る1.2リッターエンジン搭載のプジョー「新型3008」を試す【試乗記】

走りは「1.2リッター」だとは思えない上質感

 パワートレインは、新開発1.2リッター直列3気筒ガソリンターボエンジン+電動モーター内蔵6速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせた、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載。

 走り出した直後から、ボディのしっかりとした一体感とともに上質でなめらかな加速フィールが得られます。

 車両重量が1620kgと、このサイズの電動SUVとしては軽めということもあるのか、加速の良さだけでなくブレーキングをしても前のめりになる感覚がなく、落ち着いた接地感が乗り心地にもマイルドさをもたらします。

 目の前のスクリーンでエネルギーモニターを見ていると、頻繁にモーターアシストが入り、30km/h程度の低速時まではモーターのみで走っていることがわかりました。

 市街地では最大50%の時間でエンジン停止状態を維持するという、マイルドハイブリッドとしてはモーターの恩恵が大きいことも、上質感につながっていると考えられます。

 これによって燃費はWLTCモードで19.4km/Lとなり、輸入CセグメントSUVとして唯一、環境性能割1%対象となっていることも見逃せません。

往年の「ネコ足」に近いプジョー「3008 GT Hybrid」
往年の「ネコ足」に近いプジョー「3008 GT Hybrid」

 そして高速道路に入ると、ペダル操作に忠実なコントロール性の高さとカーブでの安定感に感心。

 なんとなくリアが粘って路面に吸い付くような感覚をもたらす乗り味は、往年のプジョーの持ち味だった「ネコ足」に近いようで嬉しくなりました。

 上り坂でもグイグイと余裕の走りで、知らずに乗っていたらまさか1.2リッターエンジンだとは想像もしないと思います。追い越し加速や合流などで強めの踏み込みをしても、エンジンが唸る音の室内への侵入がよく抑えられており、静粛性の高さにも驚きます。

 最初は場所が散らばっていて戸惑っていたシフトやスイッチの操作も、試乗しているうちにだんだんと慣れてきたので、オーナーになればすぐに馴染むはず。

プジョー「3008 GT Hybrid アルカンタラパッケージ」558万円
プジョー「3008 GT Hybrid アルカンタラパッケージ」558万円

 先進安全運転支援システムも充実しており、そのオン/オフがステアリングのスイッチでできるようになったことや、車両の周囲の映像が見やすい360度ビジョンなどがほぼフル装備となることも、安心感につながる嬉しいポイントです。

 今回試乗したGT Hybrid では、ハンズフリー電動テールゲートや前席シートヒーター(アルカンタラパッケージでは後席も)、ステアリングホイールヒーターといった贅沢装備も標準。

 充実の内容で価格(消費税込)は540万円(アルカンタラパッケージは558万円)、ベースグレードの「3008 Allure(アリュール) Hybrid」なら500万円を切る489万円という価格は、かなりお値打ちだと感じます。

 BEVモデル「E-3008」も年内の発売を予定しているという、新型3008。最新プジョーの魅力を存分に味わえる1台となっています。

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