スバルは2025年6月29日、同社のモータースポーツ活動を統括する「スバルテクニカインターナショナル（STI）」が手掛けるコンプリートカーの最高峰モデル「S210」の抽選エントリーを締め切りました。

　S210は、国内市場では8年ぶりとなる「Sシリーズ」の新型モデル。限定500台に対して、それ大きく上回る多数の抽選エントリーがあったことが明らかになりました。

「Sシリーズ」とは、2000年の「インプレッサ S201 STiバージョン」から続く、STIコンプリートカーの頂点に立つモデル群です。

　量産車をベースに、STIの専用工場でエンジンやシャシに特別な架装を施し、「意のままに走る・曲がる・止まる」という究極のドライビング性能を追求しています。

　そして、S210は、スポーツセダン「WRX S4 STIスポーツR EX」をベース車両としています。

　開発には、世界で最も過酷と言われるドイツのサーキットで行われる「ニュルブルクリンク24時間レース」への参戦で培われた技術や知見が惜しみなく投入され、「SUBARU WRX NBR CHALLENGE」の直系ともいえるモデルとして、ドライバーの意のままに応える高い操縦安定性を実現しました。

　エクステリアには、車体側面の空気の流れを整える新開発の「スポーツサイドガーニッシュ」や、軽量かつ高剛性な「STIドライカーボンリアスポイラー」といった数々の専用エアロパーツを装着。

　これにより、優れた空力性能を発揮し、高速走行時の安定性とハンドリング性能を大幅に向上させています。

　パワートレインは、ベース車と同じ2.4リッター水平対向直噴ターボエンジンですが、吸排気系統を刷新。新開発のエアクリーナーや吸気ダクト、低背圧パフォーマンスマフラーなどを採用することで吸排気抵抗を低減しました。

　さらにECU（エンジンコントロールユニット）に専用チューニングを施すことで、最高出力はベース車を上回る300馬力（開発目標値）を達成。アクセル操作に対するリニアなトルクレスポンスを実現し、あらゆる速度域で気持ちの良い加速フィールを提供します。

　トランスミッションは、Sシリーズ初の2ペダル「スバルパフォーマンストランスミッション」（CVT）を採用。エンジン出力特性に合わせて変速制御を最適化し、俊敏なレスポンスとダイレクトな駆動力特性を両立しました。

　足回りには、ミシュラン製のハイパフォーマンスタイヤ「パイロット スポーツ 4S」や、タイヤの接地性を最適化するSTI製「フレキシブルパフォーマンスホイール」を装着。サスペンションも専用チューニングの電子制御ダンパーやコイルスプリング、新開発のブッシュ類で固められています。

　ブレーキにはコントロール性に優れるブレンボ製フロントブレーキと専用チューニングの電動ブースターを採用し、高い制動性能を確保しました。

　インテリアは、新開発のRECARO製カーボンバックレストフロントシートが特徴で、ドライバーをしっかりと支える高いホールド性と長距離ドライブでも疲れにくい快適性を両立。

　ブラック基調の空間に、レッドのシートベルトやステッチを配することで、走りへの期待感と所有する喜びを高めています。

　ボディカラーは「WRブルー・パール」など全5色を展開。そのうち「サンライズイエロー」は50台限定の有料色となります。

※　※　※

　2025年5月22日から6月29日の期間で抽選エントリーの受付が行われたS210ですが、スバルによると限定500台に対して5000件を超える応募があり、10倍以上という高い競争率になったとのこと。

　ボディカラーでは、「WRブルー・パール」「マグネタイトグレー・メタリック」「サンライズイエロー」を希望する人が多かったと言います。

　S210の抽選結果は7月10日に発表される予定となっており、発売は2025年夏頃になる見込みです。