ホンダ「”2人乗り”スポーツセダン」公開! 2リッターで“300馬力超え”の「直4」搭載! 史上最強の「タイプS HRC」米に登場
ホンダは、米国で開催される伝統のヒルクライムレース「パイクスピーク」に、アキュラ「インテグラ タイプS」をベースとしたプロトタイプマシンを投入しました。HRCが手掛けたこの特別なモデルは、一体どのようなマシンなのでしょうか。
ホンダの高級セダンの高性能プロトタイプ?
ホンダは2025年6月24日、米国コロラド州で開催される伝統的なヒルクライムレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」への参戦概要を発表しました。
その中で、アキュラ「インテグラ タイプS」をベースにした「HRCプロトタイプ」が、その姿を表しました。

インテグラは、1985年に登場した歴史の長いモデル。日本では2001年登場の4代目モデルを最後に販売が終了しており、現在ではラインナップされませんが、北米や中国などの国外市場では現在も同名を用いたクルマが展開中です。
ただし、北米で展開されるインテグラと、中国で展開されるインテグラは全く異なるクルマで、北米で展開されるインテグラの現行モデルは、2022年に登場した5ドアハッチバックモデルです。
北米版インテグラのラインナップには、内外装やエンジンを強化し、スポーティなモデルとした「タイプS」が存在し。エクステリアでは、大型ダイヤモンドペンタゴングリルや、エアスクープ付きボンネット、センター3本出しのマフラー、グロスブラックのディフューザー、デッキリッドスポイラーを採用するほか、2.8インチ幅広となるワイドフェンダーを装備しスポーティな印象を高めています。
インテリアは、専用フロントスポーツシート(ウルトラスエード素材)を採用するなど、外装同様スポーティさだけでなく高級感も高めています。
パワートレインは、インテグラ史上最も強力だという最高出力320馬力・最大トルク422Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。これに組み合わされるのは6速MTのみです。
加えて、リミテッドスリップディファレンシャル(LSD)や、パフォーマンスチューンされた「アダプティブダンパーシステム」、13.8インチの大型2ピースフロントローターとブレンボ製4ピストンアルミニウムキャリパーを標準装備されており、そのままサーキット走行が可能な仕様となっています。
そんなインテグラ タイプSをベースにした「HRCプロトタイプ」は、ホンダのモータースポーツ開発部門「Honda Racing Corporation US(HRC US)」が開発した高性能なワンオフモデルです。
同車は、大幅な軽量化とともに、空力、エンジン、サスペンション、ブレーキ性能など総合的にパフォーマンスが強化されています。
軽量化については、ボンネット、リアドアパネル、そして一体型レカロ製バケットシートなど、広範囲に渡ってカーボンファイバーコンポーネントを使用することで実現。
オプションのエアコンレスと合わせて、全体の重量はインテグラ タイプ Sと比較して約200ポンド(約90キロ)ほど軽量化したといいます。
リアシートは完全に撤去されて“2人乗り”となり、シートがあったスペースはカーボンシェルフに置き換えられ、4つのホイールとタイヤをサーキットに運ぶことができるラゲッジスペースへと変化しています。
エクステリアに配されるエアロパーツは、ダウンフォースを増大させ、高速安定性を向上させています。また、ボディカラーは、2代目「NSX」に用いられた「インディイエロー パール」塗装が施されています。
インテリアでは、黒のアルカンターラと色を合わせた黄色のシートベルト、ステッチ、トリムによってさらにスポーティな印象になっています。
パワートレインは、エンジンの出力・レスポンス・冷却性能を、アキュラ インテグラ タイプ S HRC TCX レースカー用に開発された大型インタークーラー、ツイン オイル クーラー、軽量エキゾーストシステムによって向上しています。
今回「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に登場したのは、パイクスピークの過酷なコースでの走行に対応するため、レース技術を生かした特別な改造が施された1台で、今回が初公開となるようです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






































































