トライアンフ「スピードトリプルS」コスパも優れ魅力が詰まった1台
ライディングモードは、5つから選択可能
そんな扱いやすさのカギを握っているのがエンジン特性を選択できるライディングモードです。これには、レイン/ロード/スポーツ/トラック/オリジナルという5つのモードがあり、たとえばレインを選べばスロットル操作に対してエンジンの反応が穏やかになり、パワーも徐々に上乗せされていく一方、トラック(=サーキット)ならそれがダイレクトになるなど、スキルや路面状況に応じてエンジンのキャラクターを変化させられる電子デバイスなのです。
この他にも介入度をレイン/ロード/トラックの3段階の中から選べるトラクションコントロール、オンとオフのどちらかを選べるABSを標準装備。ストリートでは安全性を高め、サーキットでは140psに達する最高出力をフルに堪能するといったオールラウンドな使い方がスピードトリプルSの魅力と言えます
とはいえ、このモデルの楽しさが際立つステージはやはりワインディングでしょう。装備重量218kgの車体は特別軽量ではないものの、アップライトなライディングポジションのおかげでヒラヒラと股下で操れる感覚が強く、見た目よりもずっとコンパクトに感じられるはずです。
そして、ここでもエンジンの力強さとスムーズさが光ります。ギヤポジションがどこにあっても3500rpmも回っていれば十分。右手をひねればいつでも必要なダッシュ力とトラクションを得られるため、特にコーナーを立ち上がる時の加速感は格別です。しかもその時のサウンドがこれまた絶品! 少しザラついた、唸るような排気音と、それが大きくなるにつれて体に伝わってくる心地いいビート感はスピードトリプルの3気筒でしか味わえない独特の心地よさです。
200ps級のスーパースポーツがそのパワーを持て余しておっかなびっくり走るそのかたわらをスイスイと駆け抜けていく。そういう自由自在感がスピードトリプルS最大の持ち味なのです。