“販売好調すぎる”スバル新型「フォレスター」実際どう? 「総合力の高さ」はクラストップレベル? 「新世代スバル」の実力とは

発売から2ヵ月が経過した今、好調な販売を続けているという新型「フォレスター」は実際どうなのでしょうか。千葉県内で開催された試乗会を元に、山本シンヤ氏がレポートします。

総合力の高さは「クラストップレベル」

 個性派揃いのスバル車のなかでは「フォレスター」は質実剛健なキャラですが、オンロード/オフロード性能のバランスを追求した直球勝負の商品企画により、着実にユーザーを獲得。 

 現在ではグローバル販売台数ではアウトバックと並ぶスバルのエースへと成長。その最新モデルが2025年4月に正式発売された6代目になります。発売初月の受注台数は目標2400台に対して、歴代モデル過去最高となる1万1466台を記録しています。

販売好調な新型フォレスター
販売好調な新型フォレスター

 その一方で、ストロングハイブリッド搭載のS:HEVモデルは「今注文すると納期1年」と言う話も聞きます。そんな状況に対して、北米向けモデルの現地生産開始時期の前倒し、他の仕向け地向けモデルの生産計画を日本向けに回すなど、納期短縮に向けた調整を粛々と進めているそうです。

 そんな新型フォレスターですが、すでに4月の先行予約開始に合わせてクローズドコースでの試乗記をお届け済みですが、今回はリアルワールドでの試乗となります。

 まずはオンロードでの試乗です。今回はバケツをひっくり返したかのような土砂降りの雨の中での走行でしたが、むしろフォレスターの実力を知るためには好都合でした。

 エクステリアは従来モデルよりもスクエアで4輪の踏ん張りを強調したデザインが採用されていますが、従来モデルと似ているようで似ていません。個人的には19インチを履く「プレミアム」はプレステージ性すら感じます。

 ただアクティブなキャラクターの「Xブレイク」は良くも悪くも「落ち着いてしまったかな」と。個人的には「スポーツ」との違いが分かりにくく、個人的には北米向けに設定のある「ウィルダネス」くらい飛んでもよかったのではないかと思いました。

 インテリアは最新スバルのデザインで従来モデルより機能性も質感もレベルアップしています。助手席前の加飾デザイン(シボが独特)や独立したシフト周りなどでフォレスターらしさを演出していますが、全体的にスマートに整い過ぎていて「冒険心」が芽生えてこないのが残念な部分です。

 個人的にはモニター内に埋め込まれたX-MODEをメカニカルスイッチ(=機能の視覚化)にするとか、専用メーターや傾斜計/高度計/コンパスなどの表示で遊び心を入れるなど、視覚的にオフロードに行ってみたくなるような演出はもっとやったほうがいいと思いました。

 走りに関してはどうでしょうか。S:HEVは高出力モーターのアシストのアシストによる瞬発力の高さと力強さに加えて、ガソリン車以上に入念に施された振動・騒音対策(各部に配置された吸音材、インシュレーター、フロアマットなど)による静粛性の高さからスペック以上の「余裕」を実感。

 シリーズパラレス式HEVはフィーリングの悪さ(エンジン回転と加速のズレ)が指摘されがちですが、スバルのそれは常用域ではほぼ気にならないレベルで、むしろトヨタ系のそれよりも優れています。燃費は信号少なめの幹線道路と山坂道を走行して17~18km/L台でした。

 ガソリン車(1.8リッターターボ)のスペックは従来モデルと同じですが、アクセルを踏んだ時のモタツキ(応答遅れ)が抑えられ俊敏性が増したのと、より活発に回るようになっています。

 CVTもダイレクト感が増しているように感じました。話を聞くと「重量増に合わせて制御の適合見直しを行なった」との事ですが、眠そうだったパワートレインがシャキッと目覚めたくらいの違いがあります。

 燃費はS:HEVと同じルートを走って13~14km/Lを記録。インパクトはありませんが、孤独のグルメ的に言うと「ほー、これでいいじゃないか」と思わせる実力を備えています。

 オンロードでの印象は「SUVであることを忘れるハンドリング」です。従来モデルは他のスバル車に対して操作した時の反応やクルマの動きは穏やかでしたが、新型は穏やだけどシャキッとしています。

 言うなれば、従来モデルは基本素性などから結果的にそうなったのに対して、新型は味付けによって実現しているように感じました。この辺りは剛性の連続性(=弱い部分を無くす)にこだわったフルインナーフレーム構造SGPと動き始めにこだわり最適化されたサスペンションの相乗効果によるモノでしょう。

 オフロード性能との兼ね合いからロール量はどちらかと言えば大きめですが、そのコントロールが絶妙(=挙動変化はゆっくりだけど上手に収束)なので腰高感はなく、道幅が狭い山坂道のウエット路面でも一発で舵を決めてコーナリングできるほどの一体感です。

 連続するコーナーを曲がる際にもGの収束が早いので切り返し時に頭が揺さぶられにくく、結果としてロールはするけど“ロール感”は少なめでした。

 ただ、Xブレイク/スポーツの18インチタイヤは転がり抵抗重視なのかウエットグリップが乏しいのは気になる所。その点ではプレミアムの19インチタイヤの方が総合的バランスは優れています。

 快適性はバネ上の「フラット感」と乗員に伝わる入力の「優しさ」は、クラストップレベルで、「君は電子制御ダンパー付き?」と錯覚してしまうくらいの乗り心地です。この辺りは18インチタイヤのXブレイク/スポーツ優勢と思いきや、19インチタイヤのプレミアムは入力こそ僅かに硬めですが、タイヤのタワミと足の動きの連携が絶妙のようで、体感的にはほぼ同等レベルだと感じました。

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