トヨタ“初”の「3列ミニバン」に注目! 「ハリアー」サイズのボディ&ツルツル顔採用! ブルーのアクセントや“専用デザイン”も魅力の「イノーバEV」インドネシア仕様とは?
トヨタは2025年時点で、BEV(バッテリー式電気自動車)のミニバンをまだ市場に投入していません。しかし、過去にはEVミニバンを示唆するモデルが公開されていました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
トヨタミニバン“初”のパワトレを搭載した「3列ミニバン」
トヨタは2025年にPHEV(プラグインハイブリッド車)の「アルファード」と「ヴェルファイア」を発売しましたが、純粋なEV(電気自動車)のミニバンはまだ市場に投入していません。
しかし、過去にはEVミニバンを示唆するモデルが公開されていました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。

そのモデルとは「イノーバEV」です。
同車は、トヨタが2022年のインドネシア国際モーターショーで公開したコンセプトEVです。
「イノーバ」(正式名称:「キジャン・イノーバ」)は、2004年からインドネシアや中近東、東南アジアなどの市場で販売されているトヨタのミニバンです。
日本ではあまり馴染みのない車種ですが、アジア圏では代表的なファミリーカーとして広く親しまれています。
イノーバEVのベースとなったのは、2015年に登場した2代目イノーバ。
このモデルは全長4735mm×全幅1830mm×全高1795mmと、同社の「ハリアー」(全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm)に近いボディサイズを持ち、室内空間には3列シートのレイアウトを採用。
パワートレインには、最高出力149psの2.4リッターガソリンエンジンと6速ATを搭載していました。
イノーバEVは、そんな2代目をベースに、EVならではの特徴的なデザインを採用しているのが特徴です。
フロントグリル部分はベースモデルとは異なりパネルで覆われ、グリルレスのすっきりとした外観を実現。
また、サイドには「EV」のエンブレムが装着され、ホワイトのボディにブルーのラインが施されたデザインは、EVモデルらしさを強調しています。
2022年のインドネシア国際モーターショーでの公開後、イノーバEVはインドネシア政府関係者による試乗が行われ、実際に走行する姿が披露されました。
しかし、搭載されているパワーユニットの詳細や、最高出力、航続距離などの具体的なスペックは公表されませんでした。
このコンセプトカーは、トヨタのEV技術の可能性を示すとともに、アジア市場における電動化の将来像を提示する目的で開発されたといいます。
なお、トヨタがEVミニバンを発表したのは、このイノーバEVが初めてとなります。
トヨタはインドネシア市場において、ハイブリッド車やEVの普及を積極的に進めており、イノーバEVはその一環として注目されました。
実際、インドネシア政府は2030年までに自動車の電動化を加速させる政策を掲げており、トヨタも現地での生産体制強化や電動車開発に注力しています。
イノーバEVは、既存のイノーバのプラットフォームを活用することで、開発コストを抑えつつ、EVとしての魅力をアピールするモデルでした。
コンセプトカー公開後、一部の報道では、トヨタがイノーバEVの市販化を検討しているとの憶測もありましたが、現時点では具体的な発売計画は発表されていません。
一方、トヨタはグローバルでのEV戦略を加速させており、2020年代後半には複数のEVモデルを市場投入する計画を明らかにしています。
イノーバEVのようなミニバンEVは、ファミリー層が多いアジア市場での需要が見込まれるため、将来的に市販化の可能性はゼロではありません。
特に、バッテリー技術の進化や充電インフラの整備が進むことで、EVミニバンの実現性がさらに高まると考えられます。
※ ※ ※
イノーバEVは、トヨタのミニバンEVの可能性を示したコンセプトカーとして、大きな話題を呼びました。
市販化には至らなかったものの、トヨタのEV技術やアジア市場へのコミットメントを象徴する存在です。
世界的なEV化の波がさらに拡大する中、イノーバEVが再び注目を集め、市販モデルとして登場する日が来るかもしれません。
Writer: 大西トタン@dcp
(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

























