トヨタ「少し…小さな高級ミニバン」が凄い! “5ナンバーサイズ”で「大型メッキグリル」採用! ちょうどいいサイズに「豪華インテリア」採用の「エスクァイア」 なぜ消えたのか

トヨタが販売していたミニバン「エスクァイア」は、「ノア」「ヴォクシー」サイズを持ちながら、上級モデルに匹敵するような高級感を持たせていたことが特徴です。しかし、なぜなくなってしまったのでしょうか。

売れ筋「ノアヴォク」サイズがよかった

 トヨタのミドルクラスミニバンとして安定した人気を誇っている「ノア/ヴォクシー」。基本的なメカニズムを共有する兄弟車関係となっています。

 現在は、2022年に登場した4代目モデルが現行型として販売中で、ノアは幅広いユーザーに向けたファミリーミニバンとして、ヴォクシーはエアロ仕様のみのラインナップとして、若いユーザーや個性を求める人に向けた車両としてキャラクター分けされています。

 ただ1世代前の3代目ノア/ヴォクシーの時代には、もう1台「エスクァイア」という兄弟車が存在していました。今回はそんなエスクァイアがどんなクルマだったのか、そしてなぜ消滅してしまったのかを考えてみたいと思います。

トヨタ「エスクァイア」
トヨタ「エスクァイア」

 エスクァイアは2014年1月に登場した3代目ノア/ヴォクシーから約9か月遅れの2014年10月に発売を開始しました。

 当然、兄弟車ということでプラットフォームやメカニズムは共通となっており、2リッターのガソリンモデルと1.8リッターのハイブリッドモデルが存在する点も、同一となっていました。

 では、エスクァイアにはどんなキャラクターが与えられていたのかというと、ノア/ヴォクシーよりも上質かつ高級感のあるモデル、というものでした。

 というのも、当時のトヨタはまだ販売チャンネル方式を取っており、エスクァイアを取り扱っていた販売チャンネルは、「クラウン」などを扱う「トヨタ」店と、「マークX」などを扱う「トヨペット店」でした。

 上級車種を販売するこれらの店舗で、目の肥えたベテランユーザーにも選んでもらえる仕様にする必要があったのです。

 具体的にはフロントマスクに大型のメッキグリルを備え、サイドにもステンレスベルトモールをプラス。リアゲートにもL字型のメッキ加飾を装着して上級感を与え、足元には全グレードでアルミホイールを標準装着。

 インテリアでは基本形状こそノア/ヴォクシーと共通ながら、トリム類に合成皮革を多くあしらったり、金属調加飾やステッチなど上級車に与えられる要素をプラスすることで、より上質な雰囲気のものに仕立てられていたのです。

 一方でノア/ヴォクシーに用意されていた、エアロパーツを備えるスポーティな仕様は存在せず、全グレードで5ナンバーサイズに収まっているというのもエスクァイアの特徴です。

 販売チャンネルがタクシーに供されることの多かった「クラウンセダン」や「クラウンコンフォート」「コンフォート」を取り扱っていたこともあってか、ミニバンタクシー(ジャンボタクシー)として採用されるケースも多い車種となっていました。

 ただその後、トヨタの販売店はすべての店舗で全車を取り扱うことになったため、多く存在していた兄弟車は統合され、エスクァイアも同様に1世代のみで消滅することとなってしまいました。

 これは兄弟車が3車種もあるとユーザーも混乱してしまうことや、エスクァイアは3兄弟の中では高級志向だったことで価格が高く、その分販売台数が伸び悩んでしまっていたことなども影響していると言えそうです。

 しかし現在、上級モデルの「アルファード/ヴェルファイア」がモデルチェンジを経て、さらに高額化してしまったこともあるので、売れ筋の“ノアヴォク”サイズで上質なモデルが出たら欲しいと考えている人もいるかもしれません。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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