全長5m超え「大型SUV・ミニバン」発売なるか!? 「アメリカからの“日本車”逆輸入…」 日本政府が本気で後押し? 消費者・メーカーでの課題感とは
「海外生産の日本車」では成功例も!? 話題の小さなSUVなど…
視点をもう少し広げてみれば、「海外生産の日本車」の日本輸入については近年、拡大傾向にあります。
インドからのスズキ「フロンクス」やホンダ「WR-V」が成功事例です。
そのほか、タイからは日産、三菱、トヨタが日本向け輸出を継続しています。
ただし、こうした南アジアや東南アジアから日本への日本車輸出の理由は、アジア圏でのクルマの商品性が日本に近いことで、量産効果による生産効率性が上がるからです。
対するアメリカから日本への日本車輸出では、前述のように市場性に違いが大きく、車種が限定的です。
以上は、ユーザー視点での話です。

一方、自動車メーカーや自動車部品メーカーにとっては、課題がかなり多いと思います。
最も大きな課題は、国内生産維持を宣言していたことに対して、自動車部品メーカーなどサプライチェーン関係者や地域の関係者にどうのように説明するかです。
また、自動車部品メーカーとしても、日本向け輸出分を含めてアメリカ国内生産が増える場合、早期にアメリカでの生産体制を見直す必要があり、初期投資コストの負担も発生します。
「政府間交渉の手札」として浮上したと言われる、「アメリカ産の日本車」を日本で輸入する案。
これが奏功して、トランプ関税に何らかの変化が生じるのか、今後の動きを注視したいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。







































































