ラッキー! トヨタ「ランドクルーザー“最新モデル”」盗難発生も「なんとか見つけ出しました!」 輸出“寸前”で無事発見! 犯人も気づかぬ「ナイス作戦」で警戒を呼びかけ 茨城

茨城県警は公式SNSで、トヨタ「ランドクルーザー」が盗難され、その後発見できたという事例を発表しました。一体何があったのでしょうか。

単純対策で愛車を発見

 茨城県警は2025年5月10日、公式SNSを更新。つくば市内でトヨタ「ランドクルーザー250」の盗難事件が発生したと発表しました。

 しかし、被害車両はその後発見することができたといいます。一体何があったのでしょうか。

 (画像はイメージです/写真:PIXTA)
(画像はイメージです/写真:PIXTA)

 新車に盗難防止装置が標準装備されたことや、市中に防犯カメラが設置されたことなどから、自動車盗(クルマの盗難)件数は、ピークの1割以下に減少しました。

 とはいえ、警察庁の最新データによると2024年には6080件あり、これは単純計算で1日約17台が盗まれていることになります。

 現在の自動車盗の傾向は、かつてのような車種や地域を問わない通り魔的なものから、一部の地域・車種を狙うことが増えています。

 これはクルマを盗む目的として、盗難車を海外に輸出して売りさばき、金を稼ぐためであり、窃盗団が狙うクルマもやはり海外で人気の車種に集中しています。

 例えば、中東で人気のトヨタ「ランドクルーザー」や「アルファード」、レクサス「LX」「RX」、東南アジア地域で人気のトヨタ「ハイエース」や「プリウス」なども狙われています。

 地域も集中しており、海に近く、盗難車をコンテナ輸出しやすい愛知県や千葉県、茨城県で特に多発しています。

 クルマを盗んだ後は、ナンバープレートを付け替えて追跡を撹乱させるとともに、即座にヤードに持っていくため、解錠されてエンジンを始動された時点で取り戻すことは困難です。

 ヤードに持っていかれた後は車体丸ごと輸出されるケースや切断して部品単位で持って行くことがあるほか、別の犯罪に使われ、その後遺棄される場合もあります。

 さて、今回茨城県警が発表したのは、ランドクルーザーの盗難事例でした。このランドクルーザーは2024年4月に発売したばかりの最新型(ランドクルーザー250・以下ランクル250)でした。

 窃盗団は、つくば市内に停まっていたランクル250を盗み、解錠やエンジン始動を試みて走り去るところまで遂行しましたが、これを見つけることができたといいます。

 この被害車両にはGPS付きの「紛失防止タグ」が仕込まれており、盗難に気づいたオーナーが即座に追跡を開始。これでランクル250の居場所が特定できたようです。

 タグは市販で数千円程度で入手できるもので、手元からタグ付きの荷物が離れたら警告してくれるものや、周囲の別のスマートフォンと接続し、リアルタイムで居場所を自動更新してくれるものもあります。

 しかも、タグはドリンクホルダーやグローブボックスなど、車内のわかりやすい場所に置いていたのではなく、窃盗団に見つかぬよう、隠すように設置していたのがポイントです。

 もしタグの設置が窃盗団にバレたら、捨てられたり別のクルマに付け替えられ、追尾を撹乱されてしまいます。

 この紛失防止タグがなければ追跡は困難だったといえ、ヤードでコンテナ詰めにされていたか、解体されて原型を留めない形にされるなど、いずれも輸出の段取りが組まれていたはずです。

 なお茨城県警では盗難防止策として、堅牢な装置で物理的に動かなくする「タイヤロック」「ステアリングロック」、バッテリーを外されても動く「独立型の警報装置」や、盗まれても居場所を特定できる「GPS機器等の搭載」、怪しい人物を録画する「ドライブレコーダーの設置」などを提案。

 また、これら「いずれかひとつ」ではなく、複合的に組み合わせることで効果を発揮するとしています。

 公式SNSでは「みんなでやろう自動車盗難防止対策!愛車を守るためには見える対策と見えない対策の複数対策!」と呼びかけています。

※ ※ ※

 ランクル250にも標準装備でセキュリティ装置が備わっていますが、窃盗団はこうした純正装置の突破方法は熟知しています。それに加えて、あらゆる手段でクルマを盗みにかかります。

 今、盗難手口で主流になっているのは「リレーアタック」や「CANアタック」です。

 リレーアタックは、「スマートキー」システムから常に発せられる微弱電波を、違法な電波増幅器を経由してキーと車両を「中継(リレー)」するもので、家屋内など離れたキーがクルマの至近にあるように認識させ、ロック解除とエンジン始動を行うものです。

 CANアタックは、クルマの各機構に多数のコンピューターが備わっていることを悪用し、車体をこじ開けてこれらのコンピューターに違法機器「CANインベーダー」を接続し、ハッキングしてロック解除とエンジン始動を行うものです。

 もはや「電脳犯罪」といえる巧妙かつ非常に悪質な手口には、やはり「物理的にクルマを出せないようにする」という方法が効果を発揮します。

 例えば堅牢なロックを車両に取り付けたり、そもそもオーナーでなければクルマを出せない駐車場に停めておくといったことです。

 また、窃盗団にとっては目立って見つかることがリスクのため、駐車場内に防犯カメラやセンサーライトの設置、人目につく駐車場を選ぶなども有効です。車種を特定されないよう、また盗むときに手間がかかるカバーをかけることもひとつの対策になります。

 最近では出先の駐車場で狙われたケースもあるほか、目をつけられてGPSを仕込まれ、保管場所や行動パターンを特定する悪質な輩もいるため、そういった機器がないか、保管時に怪しい人物やクルマが近づいていないかもチェックするとよいでしょう。

【画像】「えっ…!」 これが盗難された「アルファード」です! 画像で見る(28枚)

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

画像ギャラリー

【2025年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー