衝撃!? なぜ「軽トラック」バラバラ? 数時間で見た目“新車”に… 外国人が教える「キャリイの組み立て方」とは? 近年は盗難の標的に
なぜ軽トラックをバラバラにして輸入? どんな事情がある?
ではなぜ、バラバラにしたものを組み立てているのでしょうか。
それには二つの理由が考えられます。
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1. パキスタンは輸入中古車に対する年式制限があり、個人使用車は3年、商用車は5年以上の古いクルマは輸入ができない。
2. 1.の条件を満たすにはバラして部品(というか鉄くず)として輸入するしか方法がないが、そのほうが関税も安く、一つのコンテナに大量に積むことができるので経費も大幅に節約できる。
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軽トラックのように構造がシンプルなクルマであれば再度組み立てた場合の再現性も高いと言えます。
もちろん、切断部分はパネルどうしを溶接しているだけなのでボディの強度は元のクルマほどに復活できるわけではありませんが、日常的に使用するレベルであれば強度はそれほど問題なさそうです。
ところで、「日本の中古車をバラバラにして輸出…」と聞くと、「もしかしてこれは盗難車?」と考えてしまいそうですが、この動画の情報だけでは盗難車なのかは不明です。なお動画の投稿主は
バラバラにしてしまうと盗難車なのかどうかの見極めも難しく、パキスタンの輸入業者もそこまではわかっていないと思われます。
しかし、日本では近年、軽トラックの盗難台数が毎年10位内にランク入りするほど多いのは事実。軽トラ盗難の実態を見てみましょう。
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2022年 2023年 2024年
キャリイ 122台(7位)→115台(6位)→96台(9位)
ハイゼット 95台(9位)→107台(6位)→103台(7位)
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軽トラの盗難についての報道が増えたことで少しずつ減って来てはいますが、過去3年間でいずれの年も車名別盗難認知件数にランク入りしています。
ではなぜ、軽トラックが盗難されるようになったのでしょうか。
実は、軽トラが10位内にランク入りしていることは2022年の台数から明らかになりました。
なぜなら警察庁の発表は長い間、1位から5位までしか公表されておらずトヨタとレクサスの独占状態でした。
それが2023年6月に初めて2020年の10位まで発表されたことで軽トラの盗難実態が明らかになったのです。
直近でも茨城県警は公式SNSで【軽トラックの盗難に注意】を呼びかけています。

なお、盗難台数のランキングは日本損害保険協会も毎年1-10位まで公表していますが、こちらは盗難認知件数ではなく、「盗難されて車両保険を支払った台数の車名別ランキング」です。
車両保険を付保している台数が少ない軽トラックが支払い台数の上位に入ってくることはありませんでした。
盗難台数は少しずつ減ってきていますが、海外人気の高い軽トラの需要はこれからも高まるでしょう。
軽トラオーナーの方は最低限、しっかりと施錠し防盗効果の高いハンドルロックやタイヤロックなどの物理ロックによる防犯対策をお勧めします。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

























