1000万円超! トヨタ「アルファード」に急速充電対応の高性能な“PHEV”追加! なぜ補助金「満額」もらえない? 減額される意外なカラクリとは?

「アルファード/ヴェルファイアPHEV」の補助金が少ない理由とは?

 アルファード/ヴェルファイアPHEVは1000万円を超えた高額車ですから、電動車に交付される補助金が気になります。

 国から交付される2025年度の補助金額は、アルファード/ヴェルファイアPHEVは48万円です。

 前年度の44万円よりは増額されましたが、ハリアーPHEVやプリウスPHEVの60万円に比べて12万円少ないです。

 アルファード/ヴェルファイアのPHEVの補助金額はなぜ少ないのでしょうか。

 今の国から交付される補助金額は、電費、1回の充電で走行できる距離、外部給電機能の有無、車両や蓄電池の火災発生状況などに基づいて算出され、PHEVの上限額は55万円です。ハリアーPHEVは環境負荷の少ない鋼材などを使うため、上限額に5万円を加えた60万円が交付されます。

 ところが車両価格が840万円を超える車種は、算出された補助金額から20%を差し引いて交付するのです。付加価値の高い高価格車は、補助する必要性が薄れるという考え方です。

「アルファードPHEV」
「アルファードPHEV」

 つまりアルファード/ヴェルファイアのPHEVは840万円を超えているため、「60万円×0.8=48万円」になりました。

 高価格で補助金の少ないアルファード/ヴェルファイアPHEVは買い得とは言えませんが、受注状況を見ると話が違ってきます。

 2025年5月上旬にトヨタの販売店に尋ねると、以下のように返答されました。

「アルファード/ヴェルファイアのハイブリッド車とガソリンエンジン車は、昨年の改良を実施した後、受注を早々に停止させました。現時点で手に入れる方法は(定額制カーリースの)KINTOだけです。

 ところがPHEVなら、通常の受注を行っていて、約半年で納車できます。

 今後の動向は分からないので、商談は早めに行うのが良いでしょう」

 KINTOは最長で7年の契約期間を満了したら、車両を返却することになります。自分の所有にはできず、ペットの同乗も原則として許されないなど使用上の制約も多いです。

 そうなるとアルファード/ヴェルファイアのハイブリッド車とガソリン車を所有する方法は中古車購入ですが、中古車価格は2025年5月上旬時点でも高騰しています。

 アルファードハイブリッドZの新車価格は635万円ですが、走行距離が5000km以内に収まる中古車価格は750万円から900万円と割高です。

 このような新車価格を上まわる中古車を買うなら、1000万円を超えてもPHEVを選ぶ方がオトクです。電気自動車は自宅に充電設備が必要ですが、PHEVなら通常はガソリンを給油して走り、可能な時だけ充電する使い方もできます。

 特にアルファード/ヴェルファイアのPHEVは、急速充電器に対応しているため、公共施設などで充電する時も便利です。

 価格が高い代わりに動力性能に余裕があり、後輪をモーターで駆動する4WDのE-Fourも搭載されるため、走りの満足度や安心感もハイブリッド車を上まわります。

 アルファード/ヴェルファイアの購入を希望していて、予算に余裕のあるユーザーは、PHEVも検討してみましょう。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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