トヨタ新「クラウン“ミニバン”」公開! “豪華”な「王冠仕様」には「初の便利機能」搭載? 迫力顔&“高級”内装の「クラウン ヴェルファイア」中国に登場
2025年4月23日〜5月2日まで開催されていた「上海モーターショー」のトヨタブースでは、通常とは違った仕様のクラウンミニバンこと「クラウンヴェルファイア」が展示されていました。驚きの装備も搭載されていると言いますがどのようなモデルなのでしょう
クラウンのミニバン!
中国・上海で2025年4月23日〜5月2日まで開催されていた「上海モーターショー」。
そのトヨタブースを歩いていたら、違和感のある車両に遭遇しました。違和感の理由はすぐにわかりました。
どう見ても「ヴェルファイア」なのになぜだかエンブレムが「クラウン」になっているのです。もしかしてカスタマイズカー…?トヨタの正規ブースなのに…。

気になってブースの人に尋ねてみたところ、衝撃の事実が。なんと中国ではヴェルファイアを「クラウンヴェルファイア」として売っているのだそうです。
「中国でのトヨタには(単独ではなく現地企業との合弁事業をおこなう必要があった背景から)広汽汽車集団との合弁となる『広汽トヨタ』と中国第一汽車集団との合弁である『一汽トヨタ』が存在。前者がアルファードを、後者はかつてクラウンを販売していた流れでヴェルファイをクラウンブランドとして売っている」と教えてくれました。
かつての日本で、販売チャンネルごとに兄弟車を用意していた感覚に近い大人の事情というわけですね。
でも、違和感の理由はそれだけではありません。バンパーの形状などが、普通のヴェルファイアとは違うのです。
「実はこのヴェルファイアは『特別版』といって、市販車ではなくカスタマイズされた参考出品。現地の中国人スタッフを中心に考案した中国の顧客のニーズに合わせた変更が施されているのです。来場者からの評判が良ければ市販車にも採用されるかもしれません」とのこと。来場者の反応を探る目的があっての参考出品ということです。
カスタマイズはエクステリアだけかと思ったら、インテリアにもしっかりと手が加えられていて、さすがだと感じました。目立つところではダッシュボードは助手席前に刺繍を入れた革張りになっており、ドアの内張はドアポケット内まで革を張ったラグジュアリーかつ手間のかかったフィニッシング(なんとペットボトルホルダー部分にも縫い目がある!)。贅沢な仕上がりです。
ドアオープナーの周りも一部がパンチング処理された本革が使用されているほか、ステアリングやダッシュボードのガーニッシュはブラックストーン調(あるいはフォージドカーボン調)の素材が採用されています。床もカーペットではなく、同じ柄のハード素材で仕上げられており、フローリングの様な印象です。
しかし、筆者(工藤貴宏)がもっとも驚いたのはそれらではありません。テールゲートを開けた瞬間に、驚愕の事実を知ることとなったのです。
シート脇には、普通のカタログモデルにはない、見たことのないスイッチが組み込まれていました。
そのスイッチのイラストを見た瞬間に、すべてを理解しました。なんと3列目のシートが電動で調整できる仕組みになっていたのです。
念のため補足しておくと、日本仕様のアルファードやヴェルファイアはもちろん、中国向けの現行カタログモデルにおいても、3列目シートが電動式となっている仕様は見当たりません。
しかし、このクラウンヴェルファイア特別版の3列目シートは電動式。ここまで市販モデルと仕様が異なるとは驚きです。
前出のブース担当者の言葉を思い返すと、「評判が良ければ市販モデルに反映されるかも」と話していました。つまり、ヴェルファイアの3列目シートを電動化した仕様が、今後市販化される可能性もあるということです。
ただし、これはあくまで中国市場での話であって日本仕様にも反映されるとは限りません。また、この展示車は、作り込みのレベルを見る限り市販モデルにはまだ遠い段階にあるようです。さらに、この3列目シートは電動化と引き換えに、従来の左右跳ね上げ格納が廃止されており、シートを小さく格納することは前提そしていない構造となっていました。
一方で、電動調整機能を3列目に組み込んだヴェルファイアやアルファードというのは、なかなか魅力的に映ります。今後のマイナーチェンジで導入される可能性もあるのではないでしょうか。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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