政府はなぜ国民を苦しめる? 税金取りすぎ…「ガソリン減税は実現する?」 7月にも価格に変化か… 忘れられた「トリガー条項発動」よりも「暫定税率廃止」を! 今後のシナリオは

最近、「ガソリン価格が下がるかもしれない」という報道が目立ってきている中、立憲民主党がガソリン税の暫定税率を廃止する法案を国会に提出しました。与党側もこれまで議論を重ねており、夏の参議院選を見据えた動きとも見られているが、物価高が続く今、減税の可能性に多くの国民が関心を寄せています。

ガソリン減税(暫定税率)ってそもそもなんなの?

では、旧暫定税率とは、何が暫定なのでしょうか。

 これについて、加藤勝信 財務大臣が昨年11月5日の閣議後の記者会見で、記者の質問に対する回答の中で、次のように説明しています。

「揮発油税の旧暫定税率の廃止については、旧暫定税率は民主党政権下の平成22年度税制改正において検討が行われた結果、地球温暖化対策の観点、厳しい財政事情等を踏まえて、それまでの税率が当分の間税率として維持され、現在に至っているところであります」

 この会見当時、特に国民民主党が「トリガー条項」の凍結解除だけではなく、旧暫定税率そのものの廃止を求めていたため、記者が財務省の見解を聞いたものです。

 トリガー条項とは、レギュラーガソリンの全国平均価格がリッター160円を3ヶ月連続で越えた場合に、旧暫定税率を停止して、ガソリン価格を下げる仕組みです。

 同130円を3ヶ月連続で下回った場合に旧暫定税率は復活します。

 これが、東日本大震災によって財源を確保する必要が高まり、トリガー条項の発動が凍結されている状況です。

 ところが、近年の原油価格は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に急騰しており、政府による「燃料油価格激変緩和補助金」を適用しない場合、ガソリン価格は高い時にはリッターあたり200円を越え、4月中旬でも190円前後の高値を維持してる状況です。

 つまり、トリガー条項で設定した130円〜160円という価格帯の実効性は乏しいと言わざるを得ません。

 そうした中で、与野党間のガソリン税に関する協議の中で、トリガー条項の限定した話から、旧暫定税率そのものの廃止が焦点になってきたように感じます。

 ただし、課題はやはり、税収減です。それを国が補填するといっても、財源はどうするのかという議論に舞い戻ってしまいます。

イマイチよくわからない「ガソリン減税」とは(画像はイメージ/フォトAC)
イマイチよくわからない「ガソリン減税」とは(画像はイメージ/フォトAC)

 ガソリン価格が下がれば、経済活動が活発化して結果的に各種の税収は増えるという考え方もあるようです。

 しかし、いまの日本は特にトランプ関税の影響による景気後退への不安や、食料品を含めた生活必需品の慢性的な物価高に悩まされており、ガソリン価格減が社会全体の税収増に直接つながるとは言い切れないでしょう。

 いずれにしても、旧暫定税率が廃止となって、ガソリン価格が大きく下がることを、ユーザーは歓迎するのだと思います。

 その時期ですが、立憲民主党は7月目処を掲げている一方で、与党の中では来年4月からの車体課税の大幅見直しに合わせて実施する案などが検討されている模様です。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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