新設計ダブルクレードルフレームと頼もしくなった足まわりで、走りがますます余裕に! ホンダ PCX / PCX150
ホンダは、スタイリッシュな外観と環境性能に優れたエンジンなどを搭載した「PCX / PCX150」を4年ぶりにフルモデルチェンジし発売しました。剛性を高めたフレームは、新開発の「ダブルクレードル構造」としています。
フレーム構造から見直したPCXは安定感も増したのか
先進的なデザインの車体や、一時停止の際に自動的にエンジンが停止するアイドリングストップ・システムを125ccクラスとしては国内初搭載するなど、2010年に初代が誕生して以来、一歩先行くスクーターとして定着してきたホンダ『PCX』『PCX150』ですが、4年ぶりのフルモデルチェンジとなりました。
2014年の2代目でヘッドライトなど灯火器をLED化し、外装もスタイリッシュさに磨きをかけ、燃料タンク容量を5.9リッターから8.0リッターに増やしましたが、今回はメインフレームを一新。なんとスポーツバイクに用いられるような「ダブルクレードル構造」にしたから驚きます。
通常のスクーターは乗り降りがしやすく、広く平らなフロアボードのために「アンダーボーン構造」のフレームを採用するのがほとんどですが、新型PCXでは、より運動性能を高めるために「ダブルクレードル構造」を新開発したのです。
新・旧フレーム形状を見比べていただければわかるとおり、真ん中に屋台骨となるフレームが通り、さらに複雑なフレームワークとすることで、車体の剛性は飛躍的に高まります。
シャシーがしっかりすることで、より安定感のある走りとなるのは想像に容易いところですが、ホンダはメディア向け試乗会を開催し、実際に乗り味を体感できる機会を与えてくれました。
PCXらしさはそのままに、また一段とスタイリッシュに
実車を見てまず感じるのは、塊感(かたまりかん)のあるスタイルに生まれ変わっていて、迫力や存在感が増していることです。タイヤは太くなっていますし、大型のLEDコンビネーションライトからなるフロントマスクは吊り目となって、見るからにスポーティ。テール&ストップランプはX形状にレイアウトされ、精悍で新しさに満ちあふれています。
ハンドルカバーはクロムメッキが施されていますが、そこに新設されたブラック塗装のハンドルアッパーカバーがされ、シックな印象が細かい所の仕上がりから感じられます。こうした手の込んだディテールはお父さん世代も所有感を満たすでしょうし、きっと若い世代にも上質さが伝わり好まれるはずです。
デザインを担当した栗城大亮さん(本田技術研究所 二輪R&Dセンター)はこう言います。
「存在感のある新しさを演出しつつも、誰が見てもPCXだとわかるPCXシリーズのアイデンティティを引き継ぎました。それは大人も満足できる質感であったり、美しさと力強さが同居したスタイリッシュさです」
新型はスマートキーを採用しており、携帯するだけでエンジンの始動が可能となります。エンジンスタートはメインスイッチノブを回すだけです。盗難抑止機構として、メインスイッチノブにクラッチ機構が備わっていて、スマートキーを持っていないと回すことができません。ウインカーが点滅して自車の位置を知らせる(アンサーバックスイッチ)装備も加わり、PCXがまた一段と先進的になっています。