新設計ダブルクレードルフレームと頼もしくなった足まわりで、走りがますます余裕に! ホンダ PCX / PCX150
新設計フレーム採用の新型、その実力は……!?
「ダブルクレードル構造」のフレームによって、乗り降りするときに跨ぎにくくなるのでは……。そう心配しましたが、そもそもPCXは従来から「リード125」のようなフルフラットなフットボードではありませんから、従来から何も変わっていません。
考えてみれば、足もとが真っ平らであって欲しいのなら「リード125」を選べばいいのです。リードはリーズナブルで実用性重視、コチラはスポーティで高級志向、はっきりと差別化がされています。
走り出すと低中速の力強さはそのままに、高回転域での伸びが良くなっていることに気付きます。動力系を担当した荒井南洋さん(本田技術研究所 二輪R&Dセンター)にそれを伝えると、「駆動系を見直し、ドライブ/ドリブンフェイスの形状を大型化することで変速比の幅を拡大し、高回転時における出力の向上を実現しました」と、教えてくれます。
優れた燃費性能は従来モデル同等で、フリクション(摩擦)の低減などもあって「eSPエンジン」がよりパワフルになっているのです。
これまでの車体はシャシー全体で衝撃を吸収していた印象でしたが、新型はシャシーがカチッと引き締まって前後サスペンションがしっかり仕事をしていることが感じ取れます。特にリアショックはストロークに余裕があって、頼もしくなりました。
足まわりを担当した瀬尾さん(本田技術研究所 二輪R&Dセンター)によるとこうです。
「リアクッションのストローク量を15mm増加させ、アクセルトラベルが5mm増えました。そして2段バネレートだったスプリングは、3段階にグレードアップしています」
つまり、初期荷重ではしなやかに動き、奥ではしっかり踏ん張りの効くサスペンションとなっているのです。
ハンドリングも大きく変わりました。ヒラヒラとした動きを見せた従来型に対し、新型はしっとりと落ち着いた手応えのある運転操作となり、それがまた安定感、余裕のある走りへとつながっています。
これはタイヤサイズのワイド化が大きく関わっていて、フロント90/90-14→100/80-14、リヤ100/90-14→120/70-14へとなったことの影響です。