2025年4月22日、日産が新型「エルグランド」（4代目）のティザー画像を初公開し、およそ15年ぶりのフルモデルチェンジということもあって大きな話題を呼んでいます。
　
　高級ミニバンのパイオニアとして知られるエルグランドですが、現行型（3代目）には、「走り」に特化した高性能モデルも設定されていました。どのようなものだったのでしょうか。

　初代エルグランドは1997年に登場。押し出しが強いスタイリングや広くて豪華なインテリア、そして3リッターを超える高性能なV型6気筒エンジンなど、それまでのミニバンとは大きく異なる路線が支持され大ヒット作となりました。

　現行型は2010年に登場した3代目です。

　それまでの縦置きエンジン＋後輪駆動ベースのプラットフォームから、横置きエンジン＋前輪駆動の新開発プラットフォームに刷新され、低床化や低重心化による走行性能の大幅な向上を大きな特徴としていました。

　またこれまでの初代や2代目同様にオーテックジャパン（現：日産モータースポーツ＆カスタマイズ／NMC）が手がけたカスタムモデルもラインナップ。

　豪華な2人掛け後席シートなどの専用内装に仕立てたショーファー仕様「エルグランド VIP」や、内外装をドレスアップした「ライダー」シリーズが設定されるなど、幅広い選択肢も用意しています。

　そして2011年、ライダーシリーズへ新たに追加されたのが「ライダー ハイパフォーマンススペック」です。

　車名の通り“パフォーマンス（性能）”を高めたメーカー純正のチューンナップ仕様となっています。

　通常のエルグランド用3.5リッター V型6気筒エンジン車は最高出力280psを発揮しており、そもそも高い性能を有しています。

　しかし専用コンピュータと専用エキゾーストシステムを新採用してさらなる高性能化を図り、最高出力300ps（＋20ps）、最大トルク361Nm（＋17Nm）まで性能を大幅にアップさせたのです。

　オーテックジャパンはスーパーGTをはじめとするレーシングマシンの製作も手掛けており、そうしたモータースポーツでのノウハウも惜しみなくつぎ込まれたモデルでした。

　ボディチューニングも実施され、専用フロントクロスステー、専用センタークロスバー、専用リアクロスステー、YAMAHA社製パフォーマンスダンパー（リア）を追加。

　さらに専用チューンドサスペンション、専用19インチ光輝アルミホイール（ダーク調）、高性能とコンフォート性能を両立させた専用245／45R19タイヤ（ミシュラン・プライマシーLC）を採用するなど、細部まで手が込んだ専用カスタム仕様となっています。

　オーテックジャパン創立30周年の2016年には、記念特別仕様車「AUTECH 30th Anniversary」が、通常のライダーとともにライダー ハイパフォーマンススペックにも設定されました。

　ダーククロムのエクステリアパーツや、ギャザー付のブラック／ホワイトコンビレザーシートのインテリアなどで、独自の凄味や豪華さを増した仕様でした。

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　デビュー以来、一定の支持を集め続けていたエルグランドの“ライダー”シリーズでしたが、その後の一部改良で姿を消し、代わって現在は「AUTECH（オーテック）」というカスタムモデルに進化しています。

　ただしNMCのノウハウを投入した高性能チューニング仕様の設定は、いまのところありません。

　15年ぶりの全面刷新となる4代目エルグランドにも、新型「エルグランド AUTECH“ハイパフォーマンススペック”」が設定されることを大いに期待したいところです。