来年から「クルマの税金」が変わる!? 今年も納税時期迫るが…今後は負担減るの? 自動車諸税、ついに抜本改革なるか 「環境性能と公平性」を軸に
来年から変わる? ユーザー負担軽減も? その内容は?
では、新しい税体系はどのような内容になるのでしょうか。
現時点では、自工会の提言がそのまま採用されることは決まっていません。あくまで可能性の一つとして捉えてください。
まず、購入時は消費税に一本化。環境性能割は廃止されます。
環境性能割は、自動車取得税が実質的に置き換えられたもので、消費税との二重課税に当たるという解釈に基づいています。これにより、購入時の税負担は多くのユーザーにとって軽減されます。
次に、保有時では、現在の自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を融合させた新しい税金を検討しています。
自工会の資料には、「簡素・公平で永続的な指標を課税標準とし、環境性能に応じて増減する」と記載されています。
つまり、車両重量が増えると税金が上がり、EVなど環境性能が高い場合は税金が下がる仕組みです。
ただし、環境性能の基準や、重量ごとの税額設定(いわゆる「階段付け」)は議論が難航しているようです。
実際、自動車業界からは「階段付けの議論がまとまらない」との声も聞こえてきます。
筆者が自工会の3月の定例会見でこの点について質問したところ、明確な回答は得られませんでした。
現時点では、どのような自動車を所有する場合に税金が上がるのか、下がるのかは不明です。
では、自動車にかかる税金の新しい形は、いつ頃ユーザーに明らかになるのでしょうか。

国は、12月にまとめる税制改正大綱で具体的な税体系と制度設計の結論を出す予定です。
その4カ月前の8月を目処に概算要求が行われるため、夏以降には自工会や国から段階的な情報発信があるはずです。
いずれにせよ、2026年度にユーザーの手元に届く自動車税の内容は、現在の税体系とは異なる可能性が非常に高いと言えます。
一方、ガソリンや軽油などの燃料に関する減税については、車体課税とは基本的に切り離した議論が与野党間で進んでいます。
一部の野党からは今年夏の減税を求める声もありますが、財源確保の議論を含め、今後の動向が注目されます。
来年は、自動車にかかる税金が大きく変わる、日本の社会にとって節目の年になりそうです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。































