18年の歴史に幕! 日産「GT-R」生産終了へ 3000万円「最後のGT-R」はもう買えない… 匠“手組みエンジン”×高性能パーツ採用の「2025年モデル」買えたのは“幸運な人”だった

今年8月に生産終了する日産のスーパースポーツ「GT-R」。最後のモデルはどのような人が手に入れたのでしょうか。

「最後のGT-R」手に入れた“幸運なオーナー”とは

 2025年3月5日、日産自動車は同年1月末をもって「GT-R」の新規注文受付を終了したことを発表しました。生産終了は8月を予定しています。
 
 こうして、ついに約18年続いたR35型 GT-Rの歴史に幕を下ろされましたが、ファイナルモデルとなる2025年モデルはどのような人が手に入れたのでしょうか。販売店に聞いてみました。

「GT-R伝説」 終焉へ
「GT-R伝説」 終焉へ

 2002年に前身となる「スカイラインGT-R」が生産終了した約5年後の2007年10月、「スカイライン」からの脱却を図った、新世代のGT-Rがデビュー。

「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを掲げ、当時最新のテクノロジーで武装し、プレミアムなしつらえをもつハイスペックモデルとして新たな道を歩みはじめました。

 以後、毎年のように仕様変更を繰り返し、たゆみない進化を遂げてきました。そして、GT-Rの2025年モデルの詳細が発表されたのが2024年3月14日。このとき、現行GT-Rの生産終了が正式にアナウンスされたのです。

 2025年モデルの特徴として「GT-R プレミアムエディション」に、青を基調とした専用特別内装色である「ブルーヘブン」を新たに設定。

 また、「GT-R プレミアムエディション Tスペック」および「GT-R トラックエディション エンジニアード by ニスモ Tスペック」に搭載されるエンジンには、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに、高精度重量バランス部品を採用。

 これは、今まで「GT-Rニスモスペシャルエディション」のみに採用していたパーツで、レスポンスの精度を高めています。

 さらに、エンジンルーム内には赤い文字で組み立て担当の“匠”の名が刻まれたアルミ製ネームプレートおよびゴールドのモデルナンバープレートが配され、最後を締めくくる特別なモデルに仕上がっています。

 2025年モデルの車両本体価格(消費税込)は、GT-R ピュアエディションが1444万3000円、GT-R プレミアムエディションが1558万7000円、GT-R ブラックエディションが1611万5000円です。

 また、GT-R トラックエディション エンジニアード by ニスモが1853万5000円、GT-RプレミアムエディションTスペックが2035万円、GT-R トラックエディション エンジニアード by ニスモ Tスペックが2289万1000円。

 さらに、GT-R ニスモが3008万5000円、GT-R ニスモスペシャルエディションが3061万3000円となっています。

 パワーユニットは3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボの「VR38DETT」型エンジンで、最高出力は570ps/6800rpm、最大トルクは637N・m/3300-5800rpmを発生。組み合わせるトランスミッションは6速デュアルクラッチ、駆動方式はフルタイム4WDとなります。

 なお、GT-R ニスモには専用チューニングが施され、最高出力は600ps/6800rpm、最大トルクは652N・m/3600-5600rpmといった具合のハイスペックマシンに仕上がっています。

 GT-Rシリーズは、「ハコスカ」「ケンメリ」の“第1世代”、バブルの1989年にデビューした「BNR32型」を筆頭とする“第2世代”、そして現行のR35型という流れを持ちます。

 “第1世代”、“第2世代”と、2度に渡って系譜が途切れつつも、都度大きな進化を遂げてデビューを飾りましたが、またしても終止符が打たれることになりました。

 そんなGT-Rですが、2025年モデルは伝統のある貴重な国産スーパースポーツの最終型ということから、争奪戦が予想されました。

 実際に手に入れることができた幸運なオーナーは、どのような人なのでしょうか。首都圏にある日産ディーラーのスタッフに聞いてみました。

「詳しくはお伝えできないのですが…2024年モデルのお申し込み時に抽選でもれてしまったお客様のなかで、2025年モデルの購入のご意志がある方を優先して選ばせていただきました。

 それでもかなりの倍率で、しかもご納車まで半年以上お待ちいただきましたが、ご当選されたお客様には大変お喜びいただけてよかったです」

 また、別の日産ディーラーでも同様の情報が得られました。

「2024年モデルの抽選で外れてしまい、かつ当店で日産車の購入実績があり、現在も所有されているお客様のなかから選ばせていただきました。

 お申込金だけでも100万円以上のキャッシュをご用意いただきますし、それなりにハードルが高いのではと私も思っていたのですが…かなりの狭き門で争奪戦がすごかったとだけ、申し上げておきます」

 いずれも販売店でもはっきりと明言はされませんでしたが、多くのクルマ好きが注目したモデルだけに、相当数の問い合わせがあったようです。

 それと同時に、これまでなんの接点もなかった「一見客」がいきなり2025年モデルのGT-Rを手に入れるのはほぼ不可能だったことも見て取れます。

 車両本体価格としても、GT-Rはもはや世界のスーパースポーツと肩を並べるレベルですし、長期ローンを組んだとしてもおいそれと買えるモデルではありません。

 しかし、メーカー側の事情を一切考慮に入れずいちユーザーとして思うことは、もう少し多くのユーザーに届けることができるよう、企業努力をしてもらえたら…と感じたことも事実です。

 今回のGT-R 2025年モデルに限らず、多くの限定モデルで争奪戦が繰り広げられている昨今、今後もこの動きが加速していくのか非常に気になるところです。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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