ベスパってどんな乗り物? 生活をより豊かなものにする「Primavera 125 ABS」
ネガな要素は1点のみ、身長が低めの人は慣れが必要?
「Primavera 125 ABS」の排気量は125ccで、いわゆる小型自動二輪免許で運転することができるクラスとなります(ちなみに、普通自動車免許で運転することができる50ccのモデルも用意されています)。
この排気量は高速道路こそ走ることはできませんが、ちょっとした小トリップや街中の移動にこそ、その威力を発揮するのです。軽やかに回るエンジンは静かで滑らかで、穏やかなスロットルレスポンスながらも、ぐんぐんと前に押し出される加速感が心地よく、力強ささえ感じます。
速い速度で流れている幹線道路や、信号街からのスタートダッシュでも、遅れることなく走れるので安心感が高く、見た目のクラシカルでキュートなルックスとは裏腹に、乗り味は洗練されていてクール。さらに、フロントブレーキにはABSシステムを装備して安全性を向上させ、メーターにはクラシカルなアナログメーターに加え、液晶デジタルマルチファンクションパネルを搭載しています。
シート下にはヘルメットがすっぽりと入る大きなラゲッジスペースを持ち、フロントにもUSBポートを搭載した小物入れを装備するなど、今の時代に必要不可欠な要素が全て盛り込まれているのです。
軽やかで小回りが利くところが街乗りにもぴったりで、穏やかで安定感があり、操作性も良いので、どんな人でもおしゃれに楽しく乗りこなせることは間違いなし! 女性にも是非! と言いたいところなのですが、ひとつだけネガな要素があります。
それは、イタリアンスクーターだけに、背が低い日本人の身長だと、足の長さが足りない、そう、シート高が790cm とスクーターにしては高めで、シート前方が絞り込まれ、ステップボード(足を乗せる部分)の幅の広さにも阻まれ、身長157cm(体重約50kg)の私は、シートの前側すれすれに座らないと、地面に足が届かないのです。
とはいえ、不安定さがないので慣れてさえしまえば、問題のないレベルだとは思いますが、身長が低めな初心者の方にはちょっとしたハードルになってしまうかもしれません。が、それをも克服して所有したいと思わせる魅力が、ベスパにはあるのです。
モッズがスーツを汚したくない、けどかっこよく見えるバイクに乗りたい、ということで選んだのもスクーター。ちょっとカフェまで、もしくはサーフボードを積んで海まで波乗りに、ギターケースを積んで弾き語りにちょっと街まで、なんてスタイルがよく似合います。ベスパはバイクというよりも、ライフスタイルそのものとなっているのです。
「ベスパは所有感を満足させる乗り物であり、モーターサイクルという単なるひとジャンルに留まらず、ライフスタイルを豊かにするためのツールとして皆様にお届けしています」とは、ベスパが所属するピアッジオグループのPR担当の河野さん。
さらに「ベスパを求めてくださる方は、バイクではなく、ベスパが欲しいといって来られる人が多くいらっしゃいます。ベスパに乗ることに特別な思いを抱いてくださっているんです」とも言います。
永きにわたり築き上げてきたブランドイメージやスピリットを大切にしつつ、現代的な最新技術を取り込んで現代のニーズに合わせていく。見た目はいいけど、乗り味や使い勝手が物足りなかったら、所有感を満たすことはできませんよね。そんな気むずかしいこだわり屋をも虜にさせるのが、ベスパという乗り物なのです。
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