高速で前の車がブレーキ「パカパカ」点滅! 後ろの車は「ぴったり同じ速度」でついてくる… 何が起きてる!? 実は「ACC」の仕業です! 正しく使いたい「最新装備」の活用法とは
ACCの機能を理解して有効活用することが重要
このように、うまく使いこなせばロングドライブ時などの疲労軽減にもつながるACC。
そのいっぽうで、見知らぬところで周囲のドライバーにストレスを与えているかもしれません。
![ACCなどのADAS機能は、その仕組みを十分に理解しながら有効に活用するようにしましょう[イメージPhoto:PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/03/20250306_Traffic_Trouble_Accident_pixta_44482160_M.jpg?v=1741239745)
ACCの基本的な機能についてはメーカーごとに大きな差はないものの、センサーの精度や設定の細やかさはまちまちです。
例えば車間距離の設定も、メーカーにとって3段階から6段階までと差があります。
また、もっとも前方車に近い車間距離に設定をしたとしても、その間隔にも違いがあります。
あくまでも筆者(自動車ライター 松村 透)の印象ですが、前方車にもっとも近い車間距離に設定したとしても、実際には安全マージンを考えそれなりの間隔が開く傾向があるように思えます。
そのためか、渋滞時に隣の車線から別のクルマが割り込んできてしまい、ACCで動いているクルマ側もブレーキが作動するケースが非常に多い印象を受けるのです。
そんなACC車の後方を走るドライバーの心の声は、このような感じでしょうか。
「先行車が微妙に車間をあけているのが気になる。ホラ見ろ、割り込まれた! 言わんこっちゃない!
ブレーキを踏むくらいなら、最初からもっと車間を詰めて割り込まれないようにすればいいのに(イライラ)」
これは極端な例ですが、大渋滞でストレスが溜まるなか、こう考える後続ドライバーも少なくはないはずです。
それがACCによるものとはなかなか想像がつかないですし、判断しづらいものがあります。
また前方を走るクルマが、ACCをオンにした状態で走行していると外から判別できる手段も、今のところありません。
使いこなすと非常に便利なACCですが、思わぬかたちで他のドライバーをイラッとさせている可能性もある、という一例でした。
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渋滞時、頻繁なブレーキと加速を続けながら車間をきっちりと詰めて走り続けるより、適正な車間距離をとりつつ一定の速度を保つことで後続車の流れもスムーズになり、やがて渋滞も解消するといわれています。
ただこれは、あくまでも理論上の話でしかありません。
実際の道路上には、性能も大きく異なる大型車から軽自動車、2輪車、そして運転者もベテランから初心者まで、さまざまな条件のクルマやドライバーが共存しながら、混合交通を形成しています。
しかし、多くのドライバーが渋滞時にACCを使用することで、交通の流れが今よりもスムーズになることは想像できます。
もし今の愛車にACCが備わっているなら、その機能を十分に理解しつつ、有効に活用することが望まれます。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。


























