外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
申請は「一時滞在したホテル」でもOK? どういうこと?
さらに外免切替に必要な書類の一つとして、「国籍が記載された日本の住民票の写しまたは一時帰国(滞在)証明書」がありますが、この一時帰国(滞在)証明書の利用方法が物議を醸しています。
一時帰国(滞在)証明書は、短期滞在中の外国人が免許証を申請する際の住所地として、そこに滞在していることを証明するための書類です。
たとえば友人や知人、親戚などの自宅を免許証の住所地として指定することが可能で、その場合は友人や知人などに「証明人」となってもらい、住所や氏名、連絡先などの事項を証明書の書類に記載してもらう必要があります。
しかし外免切替をする外国人の中には、「一時滞在したホテル」の支配人などに証明人となってもらい、ホテルの住所を免許証の住所として登録している人もいます。
一時滞在しているだけのホテルを住所として申請できることに関してインターネット上では、「住民票のないホテルや実態のない住居などは取り消しすべき」、「ホテル側も了承したらダメだろ」、「外国人が事故を起こして逃げた場合はホテルに損害賠償なり慰謝料を請求できるのか?」などの声が上がっています。

警察庁が公表している運転免許統計によると、2023年中に外免切替をおこなった人は6万6127人にのぼり、過去10年で約2.3倍に増加しています。
また政府は2025年2月、日本保守党の竹上議員から「外免切替をした外国人とそれ以外の免許取得者とで交通事故の発生率に差があるのか」との質問を受け、「統計的に把握していない」と回答しました。
加えて、「外国人がホテルを住所として免許証を取得することにより、事故・事件の捜査や反則金の納付などに支障をきたすことはないのか」との問いに対しても、政府は「具体的に把握していないためお答えすることは困難であるが、把握に努めてまいりたい」と説明しています。
つまり現状では、外免切替者による事故や交通違反の詳細な実態は明らかになっていないといえるでしょう。
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外免切替をめぐっては、知識試験の簡易性やホテルを住所として申請できることなどが問題点として指摘されています。
この現状を受けて上記の国家公安委員長の発言があり、今後外免切替に関する制度が改善されるのか、その動向に注目が集まっています。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。























