首都高・東名などで「予防的通行止め」開始! でもなぜ“予防”なの? まだ雪積もってないのに…「ひとまず全部封鎖します」措置を実施“せざるを得ない”理由とは
過去には「1000台規模」の立ち往生も 早め通行止めの効果とは
実際に、そういった事例も何度も発生しています。
2020年、関越道の月夜野IC(群馬県)から小出IC(現:魚沼IC・新潟県)にかけての約70kmの区間で、2000台以上が立ち往生。通行再開までに48時間以上を要しました。
都心近くでも同様の事例がありました。
2022年1月、大雪警報が発令されるなか、首都高横浜北線の新横浜出入口で大規模な立ち往生が発生しました。これも横浜青葉方面からの上り坂で冬タイヤを履かなかったスタック車が続出したのが原因でした。
この当日、都内の首都高各地で同時多発的に立ち往生が発生。台場線のレインボーブリッジや中央環状線でも、やはり夏タイヤのまま坂を登れないクルマによって数十台以上が立ち往生。中央環状線では解消まで14時間を要しました。

こうした「最悪のシナリオ」を重く見た国土交通省などは「人命を最優先に、幹線道路上の大規模な車両滞留を徹底的に回避する」ことを基本的な考え方とし、「予防的通行止め」を実施するようにしたのです。
この「予防的通行止め」では、事故や立ち往生などによる「ピンポイントの通行止め」だけでなく、その通行止め区間の末端で出口渋滞などが発生し、そこで別の立ち往生などが起こることも見込んでいます。
そのため、降雪が少なかったり、そもそも降雪すらない状態でも、「とりあえず全部まとめて躊躇なく通行止めにしてしまおう」というのが予防的通行止めの考えです。
また、一度通行止めにすれば、除雪車を大量投入することもでき、積もった雪を一気に排除することも可能です。
これが結果的に短期間の規制だけで済むことになり、立ち往生車のせいで道路ネットワークが麻痺せずに済むのです。
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前提として、冬にクルマに乗る際はスタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーンの携行が必要です。これは国土交通省も呼びかけています。
そして「予防的通行止め」が発動するようなときは、東京でも積雪の恐れがあり、大雪警報が発令されるなど、もはや「ふだんではありえない大雪」が降るような状況がほとんどです。
そもそもこうした状況では、「不要不急の外出は控える」ように呼びかけられる災害レベルなので、よほどのっぴきならない急用でなければクルマを使った移動は控えるべきです。
それでもどうしようもなく外出しなければならないときは、スタッドレスタイヤの装着は無論、チェーンやスコップなどを携行し、いつどこでスタックしても不思議ではないという考えのもと、いつも以上に注意して運転する必要があります。
なお、「予防的通行止め」が実施されるときは、NEXCOや各高速道路会社の公式サイトやSNSのほか、道路交通情報センターのサイトでも確認できるので、雪予報が出たときは、こまめにチェックしましょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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