地図に無い幻の「首都高8号線」は実在する!? 都心の大動脈つなぐ「たった100m」の全貌とは 再開発で「消滅」の噂は果たして本当なのか
首都高のほとんどの路線には「1号羽田線」「3号渋谷線」など、番号が振られています。しかし「8号線」はどこにも見つかりません。なぜなのでしょうか。
地図に無い「謎の首都高路線」
首都高のほとんどの路線には「1号羽田線」「3号渋谷線」など、番号が振られています。
しかし、地図のどこを探しても「8号」の番号が振られた路線はありません。
なぜ8だけ欠番のようになっているのでしょうか。

都内で番号が振られているのは以下の路線です。
・1号上野線
・1号羽田線
・2号目黒線
・3号渋谷線
・4号新宿線
・5号池袋線
・6号向島線
・6号三郷線
・7号小松川線
・9号深川線
・10号晴海線
・11号台場線
これを見ると、確かに「8号」だけ欠落していて、不思議です。
しかし実は、「首都高8号線」は存在しています。都心環状線から分岐する「京橋JCT~東銀座出口」のたった100m弱の部分です。
厳密に言えば、東銀座出口のすぐ手前にある「白魚橋料金所」までです。そこから先は東京高速道路、通称「KK線」になります。
宝町出口の先から高架ランプで上がっていき、急な右カーブで西へ進路を変えて、白魚橋料金所でもう終点。走行時間にして1分足らずの「8号線」です。
なぜこのような短い路線ができたのでしょうか。それは成り立ちに由来します。
KK線は首都高よりも歴史が古く、1951年に東京高速道路が設立され、1959年に土橋~西銀座(城辺橋)が開通しました。都心に「信号ゼロ」の高架道路が出現したのです。
同年にようやく首都高速道路公団が設立。3年後の1962年に、都心環状線の京橋~浜崎橋が開通。翌年には呉服橋まで延伸しました。目前に迫った東京オリンピックに間に合わせるため、築地川旧水路を道路に再整備して完成させたのです。
その後、KK線と都心環状線を互いにつなげる事業が開始。無料のKK線と有料の首都高との境界に料金所を設置し、互いにそこまでを管轄区間としたのです。
8号線はKK線全体をふくめた都の都市計画や事業名にも使われ、それ以上発展することなく「首都高最短路線」として残り続けました。
ところで、KK線は2025年4月3日に廃止されることが正式決定しました。KK線への連絡線である「首都高8号線」はどうなってしまうのでしょうか。
実は、白魚橋料金所の先にある「東銀座出口」は残されるため、8号線部分の高架も、ただの「都心環状線の東銀座出口のランプ」としてそのままになります。
いっぽう気になるのが、首都高の新たな地下ルート「新京橋連結路」(八重洲~京橋)の都市計画決定に関する都の説明です。
ここでは「東銀座出口を第8号線から編入します」という記述。これを見ると、首都高8号線を廃止して、都心環状線の一部扱いになってしまうようにも読めます。
しかしこれはあくまで「東京都の都市計画」としての扱いの話です。都市計画における「都市高速道路第1号線」というのは上野線~都心環状線~羽田線すべてを管轄し、第8号線とともに新京橋連結路も1号線に追加される予定。また八重洲線や都心環状線(神田橋~江戸橋)も新宿線と一体の「第4号線」なので、首都高の路線案内とは切り離して考えるべき「行政上の便宜的路線名」と言えます。
では、首都高としては8号線の扱いはどうするのでしょうか。以前の取材に対し担当者は、元から利用者案内に使っていないという背景から「特にわざわざ変更することは考えておりません」と回答しています。
先述のとおり「ただのランプ高架」にすぎない存在になってしまう、首都高8号線、もとい東銀座出口。消滅をまぬがれ、これからもミステリアスな存在として生き続けていくことでしょう。
1号、3号 じゃなくて
7号、9号と例示すべきでしょ
正社員の人、文章校正してないんかい!