見分けがつかない、クラウン新型覆面パトカーはカタログモデル? 市販車との差異とは

できればお世話になりたくない覆面パトカー。着々と210系といわれる新型クラウンへ世代交代しています。新型では、従来型まで見分け方の一つとされていた箇所が変更されてしまい、さらに見分けがつかなくなりました。いったいなぜなのでしょう。

パトカーもカタログモデル? 新型覆面パトカー見分けがつきづらくなった

 できればお世話になりたくない覆面パトカー。最近では2016年4月に登場した現行型クラウンへの導入も進んでいます。その新型クラウンパトカーでは、ついにリアテールランプ横のトランク部分にグレードを示すエンブレムが標準装着されるようになって、覆面パトカーと市販車とを見分けることが困難になりました。

首都圏で未だ現役の先代クラウン覆面パトカー、この型はグレードのエンブレムがついていない

 これまでの覆面パトカーの見分け方の一つに、このグレードエンブレムのバッジが無いというのがありました。それは「覆面パトカーが改造車扱いになるので、正規のグレードでは無かった」からとも言われています。

 となると、ひとつの疑問が頭に浮かびます。それは「グレードエンブレムが付いているということは、普通のクラウンが覆面パトカーになっているの?」

 実はこのエンブレム、覆面パトカーとしての秘匿性をアップさせるための小道具にすぎず、現行型クラウンも当然パトカー専用グレードが用意されているのです。

 そこでクラウンを製造しているトヨタに、専用グレードの詳細を聞いてみたところ、「機密事項なので、詳細はお答えできません」との回答でした。

 そこで、パトカーの内情に詳しいジャーナリストの方に聞いてみたところ、「パトカー用クラウンの正式名称は『クラウンパトロールカー』であり、2.5リッターのロイヤル系がベースとなった白黒塗装の『警ら仕様』、3.5リッターのアスリート系がベースとなった白黒塗装の『交通取締仕様』、そしてアスリートSのグレードエンブレムを装着し、同じく3.5リッターエンジンを搭載した覆面パトカーの『覆面交通取締仕様』の3つの仕様が用意されている」とのことです。

 実は、交通取締に従事する車両はエンジンの排気量が3リッター以上という条件を警察庁が定めています。

 現行型クラウンのロイヤル系には、それに該当する排気量が用意されないことから、現行型クラウンパトカーの取締用車両は全てアスリート系となったというワケです。

 なお、あくまで排気量で区切られていることから、3リッター級のパワーを持つ2.5リッターハイブリッドや、2リッターターボもNGとなるようです。

 現行型クラウンに搭載される3.5リッターエンジンは、232kW(315PS)/377N・m(38.4kgf・m)とハイスペックな2GR-FSE型。新型クラウンパトロールカーのカタログ表記も通常のクラウンと同じ数値が記載されていますので、パトカーだからといってスペシャルなチューニングが施されたエンジンになっているというのは、都市伝説なのかもしれません(あくまでカタログ上)。

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