ホンダが斬新「“3列6人乗り”ミニバン」を提案! 全長4.6m級ボディに「縦開きのスゴいドア」×ガラス張り天井で開放感バツグン! 新時代MPV「スカイデッキ」とは何だったのか

2009年にホンダが「東京モーターショー2009」で出展した「スカイデッキ」は、非常に斬新なデザインをまとっていました。どのような特徴があったのでしょうか。

すごい見た目だけど「根はシッカリ」考えられていた

 日本最大の自動車見本市「JAPAN MOBILITY SHOW(以下JMS)」は、各メーカーから様々なコンセプトカーや最新の市販モデルが展示され、カーファンや業界スタッフを始め、多くの来場者で賑わうイベントです。
 
 過去は「東京モーターショー」として長らく開催されてきましたが、なかでも2009年にホンダから出展された斬新なミニバン「スカイデッキ」は、非常に斬新なデザインながらも後に市販モデルにつながった稀なモデルです。どのようなコンセプトカーだったのでしょう。

斬新だけど実はしっかりしていた「スカイデッキ」
斬新だけど実はしっかりしていた「スカイデッキ」

 2009年10月24日から12日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で第41回「東京モーターショー2009」が開催。

 ホンダでは、ブーステーマ「ないものをつくれ。」とし、3車種の世界初公開モデル、1車種の日本初公開モデルを含む、四輪・二輪の展示を実施しました。そのうちの1台がスカイデッキです。

 スカイデッキは、「6人乗りのマルチパーパス・ハイブリッドモデル」をキーワードとする、それまでのミニバンとは一線を画す斬新なクルマでした。

 2009年当時は、ハイブリッドカーといえばトヨタ「プリウス」が浸透した程度で、現在のようにどの車種でもハイブリッドモデルがあったという時代ではないながら、様々なユーザーの希望に対応できるハイブリッドカーの実現という目的で開発されています。

 多様なライフスタイルに適応し、さまざまな年代に愛される、そんなオールマイティなクルマを目指して設計されました。

 ボディサイズは、全長4620mm×全幅1750mm×全高1500mm、ホイールベースは2885mm。ミニバンとしては低く設計された全高によりスタイリッシュなイメージが感じられます。

 エクステリアは、滑らかなラインが空力性能とデザインの美しさを強調。長く設定されたフロントノーズと大きなロアグリルには、同時発表された「CR-Z コンセプト」と同じデザイン性が感じられます。

 そのほか、斜めスライド機構という斬新なリアドアや、イルミネーション付きの前方シザースドアが、個性的な印象と実用性を両立。

 室内はミニバンらしく3列それぞれに2つのシートを用意した6人乗り仕様です。

 センターコンソールに取り付けられた1列目と2列目の超薄型シートは、まるで浮き上がっているかのようなレイアウトを造形しています。

 また、2列目シートは1列目シートの下に格納可能で、3列目シートに乗り込むときにも広々とした移動スペースを確保できます。

 ちなみに3列目シートも超薄型仕様で、荷物を載せるときには床下に沈み込ませることができ、フラットで広い荷室エリアをつくりだせるのも、非常に実用的で魅力的に映ります。

 天井には大きなガラスルーフが装備され、“スカイデッキ”というネーミングにふさわしい開放感のある室内となっています。

 詳細こそ公表されていませんが、パワートレインにはハイブリッドシステムが搭載され、小型軽量のユニットをセンタートンネルに設置。これにより低床化と低重心化が実現され、広い室内空間と高い走行性能の両立に貢献しています。

 デザインは奇抜でしたが高い実用性も感じられ、新時代のミニバンを予感させたスカイデッキですが、残念ながらそのままの市販はされませんでした。

 しかし、その後の2015年に登場したホンダの6人乗りステーションワゴン「ジェイド」は、流麗なデザインや2人×3列というレイアウトで共通性を感じます。

 当時、デザインなどでホンダから直接の明言はありませんが、もしかするとスカイデッキの発想がここで活きたのかもしれません。

※ ※ ※

 このように、コンセプトカーは必ずしも市販につながるものではありませんが、のちの市販車にデザインの一部や機構が使われたり、あるいはブラッシュアップされて採用されるケースも多々あります。

 コンセプトカーだからといって「現実味はないや」と思うのではなく、何かしらの示唆だと捉えると、さらに期待が高まります。

 次回のJMSは2025年10月30日に開幕予定。果たしてどのようなクルマが登場するのでしょうか。

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