外国籍でも「日本の免許」簡単に取得、なぜ? 「ホテルの住所」でOKは変わらずも…条件変わった? 「外国免許切替」の現状とは
訪日外国人が簡単に日本の免許を取得出来る制度と言えるのが「外国免許切替(外免切替)」です。その条件のひとつに「一時滞在したホテルの住所でもOK」というものがあり、非難の声も出ています。では現状はどうなっているのでしょうか。
話題となった「外免切替」 何が問題?
最近、「外国人が日本のホテルの住所で日本の運転免許証を取得している」という話が話題となりました。
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これは「外国免許切替(以下:外免切替)」という制度によるものです。
そもそも外免切替とは、どのような制度で、何が問題となり、現状はどうなっているのでしょうか。

2024年に日本を観光目的で訪れた訪日外国人(以下、訪日外客)は36,869,900人。過去最高だった2019年の31,882,049人を約500万人上回り、年間過去最高を更新しました。
そしてJNTO(日本政府観光局)の調査統計では訪日外客の約7~8%が旅行の際の交通手段にレンタカーを利用していることがわかっており、2024年は約300万人の訪日外客がレンタカーを利用していると推測できます。
日本で訪日外客が運転する場合、一般的には国際免許が必須です。
国際免許にはパリ条約、ウィーン条約、ワシントン条約、ジュネーブ条約の各様式があり、日本で有効なのはジュネーブ条約(1949年)様式だけです。
なお、ジュネーブ条約締約国であっても、ロシアやセルビアなどで発行される国際免許は、ジュネーブ様式ではないため日本では「無効(=無免許と同じ扱い)」となりレンタカーの貸し出しもできません。
一方でジュネーブ条約を締約していないフランス、モナコ、ベルギーなどは日本との2国間の取り決めで運転できるようになっており、こうした国を合計すると世界約100か国となります。
また、中国やベトナムはジュネーブ条約締約国ではないため、これらの国の訪日外客は日本で運転することはできません。
しかし、中国やベトナムなどジュネーブ以外の国の人々が運転している情報は常日頃よく目にします。
その理由が外免切替という制度のためです。
これは外国で取得した有効な運転免許を比較的簡単な手続きで日本の免許に切り替える手続きのこと。
自国免許の有効期間が残っていることはもちろんですが、運転免許を取得して3か月以上その国に滞在していることも必須条件となります。
国によっても必要な書類や試験が異なっており、29か国では学科試験、技能試験いずれも免除されたうえで日本の運転免許に書き換えができます。
外免切替を取得する手順は国によって異なっています。ジュネーブ条約締約国を中心に約30の国では筆記試験も技能試験も免除。
基本は書類のやりとりだけの簡単な手続きで切替が終了しますが、中国やベトナムなど、ジュネーブ以外の国では筆記+技能試験が科せられます。
なお外免切替の手続きに必要書類は下記の通りです。
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1.有効な外国の運転免許証
2.上記運転免許証の日本語による翻訳文
この翻訳文は当該国の駐日大使館で取得してくるか、日本で取得する場合はJAFの他にジップラス株式会社での翻訳が指定される国々もあります。
3.本籍(国籍等)が記載された住民票の写し(コピー不可)(住民基本台帳法の適用を受ける方)
4.パスポート、外務省など権限のある機関が発行する身分証明書(住民基本台帳法の適用を受けない方)
5.国籍が記載された日本の住民票または一時帰国(滞在)証明書
※こちらは免許申請上の住所に関し、居住地に滞在していることを証明する書類となります。知人や友人、親戚などの家の他、宿泊しているホテルに書いてもらう証明書でもOK。
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なお外免切替に関しては2024年10月頃から話題となっており、とくに上記5.の「ホテルの住所でOK」という部分は多くの日本のユーザーから非難の声が出ました。
実際に日本のユーザーからは「1泊しただけのホテルでも一時帰国(滞在)先として申請できる」、「二択の学科試験が10問中7問正解で合格」などの事実により「外免切替で日本の免許を簡単に取得できるのはどうなのか!」と非難されています。
なお技能試験はほどほどに難しいとされており、合格率は3割程度です。中には何度も受ける外国人も存在しています。
もうひとつ、問題視されるのが「日本語がほとんどわからなくても道交法の知識が不十分でも外免切替という制度を使えばどんな国の人でも日本の免許が取得できてしまうこと」です。
外免切替は国際的なルールや日本の免許制度で認められた合法的な手段とはいえ、納得がいかない人も少なくないでしょう。
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