レクサスのコンパクトクロスオーバー「UX」を世界初披露 ジュネーブモーターショー2018
「UX」開発責任者はスポーツカー好き
開発責任者の加古慈(カコ チカ)氏は、こう語ってくれました。
「けっしてRXやNXの相似形ではありません。走りの性能を意識しているのです。SUVはもちろんのことハッチバックモデルにも負けない走りの性能を盛り込んだつもりです」
それはドライビングポジションにも表れています。ステージに展示されているモデルに腰掛けただけでしたが、クロスオーバーとしてはシート位置が低いのです。スポーツカーを運転するときのような感覚が確認できました。
重心が低く、前後の重量配分が理想的になるようなGA-Cという新しいプラットフォームを採用しています。ドアやフェンダーは軽量なアルミを採用し、走りの要素に拘っていることがわかります。
エンジンは驚くようなパワーを発揮するわけではなさそうですが、カーブを曲がるような時には、軽快な走りが期待できそうです。
それでも2リッターガソリンモデルには発進用のギアを追加していますし、e-Fourという四輪駆動モデルも選択できるようになっています。走りの性能が高いことを想像させます。
加古氏は、実はハッチバックでドライブするのが好きだといいます。キュートで清楚な女性なのですが、内面はスポーツカー好きとのことです。
「私は女性ですが、あえて女性らしさを意識して開発したわけではありません。もちろん女性ならではの発想はありますよ。身長が低いですから、圧迫感を感じる事があります。シートを前にしますので、シフトレバーの操作などがしづらいこともあります。それを取り除いたのは女性だからなのかもしれません。ですが、あくまでクロスオーバーとしての魅力を高めたのが UX なのです」(加古 慈氏)
ボディデザインは力強い印象ですし、コクピットもスポーツカーのような攻撃的な雰囲気です。老若男女に愛されるクルマのような気がしました。
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。