高速のSA・PAで「普通車用の駐車スペース」が空いていませんでした。「大型車スペース」に止めている人が結構いますが、問題ないのでしょうか。
高速道路のSA・PAで、乗用車の駐車スペースが空いていない場合があります。その場合、大型車の枠に止めてもいいのでしょうか。
大型車枠に「堂々と普通車」駐車… 問題アリ?
高速道路には数キロおきにSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)が設置されており、休日などでは休憩したり、食事を楽しむ利用客でにぎわいます。
しかし、大型連休などでは乗用車用の駐車枠がいっぱいになり、仕方なく大型車の駐車枠に止めたことがある人もいるかもしれません。これは問題ないのでしょうか。
![大型車スペースに駐車する普通車[画像:PITXA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/01/20250106_sapa_0000.jpg?v=1736159219)
高速道路のSA・PAは、トイレや自動販売機といったシンプルな設備の施設だけでなく、温泉があったり、おいしいグルメを提供するレストランや、観覧車などの娯楽施設が併設されているものもあります。
そのため、トイレ休憩や仮眠を目的に入る長距離ドライバーのほかに、こうした食事や娯楽施設を目当てに、SA・PAを目的地にするといったドライブも人気です。
しかし、人気のSA・PAでは普通車の駐車枠がすぐいっぱいになってしまい、大型バスやトラックが駐車するはずのスペースにクルマを止めてしまうケースもあります。
特に休日ではこうした光景はしばしば見かけますが、サイズ違いのクルマの駐車は違反行為にあたるのでしょうか。
これについてNEXCOの担当者は以下のように話します。
「SA・PAでは、『小型』『大型』『トレーラー』『障がい者』『二輪車』用の駐車スペースが配置されています。それぞれのクルマが利用するべき駐車スペースについて、とくに法律上の規定はありません」
どうやらSA・PA内での駐車に関しては、ルールが定められていないようです。大型車のスペースに止めたからといって、駐車違反で検挙されることもなければ、「ここは大型車用だぞ、出ていけ」と、施設管理者に強制的に退去させられることもありません。
では、だれ彼構わず普通車はどこに止めてもいいのでしょうか。
NEXCOの担当者は「大型トラックや観光バスは、大型車用スペースにしか駐車することができません。小型車が駐車してしまうと、休憩が取れなくなるなど多大な迷惑をかけることになります」と話します。
実はサイズが異なるスペースへの駐車は、れっきとした「超迷惑行為」なのです。
「大型車用」と明記されている通り、本来そのスペースは大型バスやトラックのために存在しているもの。
レジャーで休日を楽しむサンデードライバーとは違い、仕事として長距離・長時間運転という業務にあたっている大型車ドライバーに向けたスペースなのです。
彼らは、時刻通りかつ安全に目的地まで行かなければならない、少しの遅れも許されないという厳しい条件のなかで、死角も多く操縦も難しい大型車のハンドルをにぎっています。
気楽なレジャーではなくストレスと到着時間に追われ、時間と精神力を削りに削って耐え、限界状態でようやくたどり着けた貴重な休憩時間。
そんなときにサンデードライバーに場所を奪われてしまうと、非常に迷惑です。
かといって、普通車のようにどこへでも行け、小回りが効くわけでもなく、車両の図体も大きいので、そこら辺の路上に好きに停車して休憩するわけにはいきません。
そうすると、再び数十km・数十分から数時間を走行して、次のSAやPAに向かう必要が出てきます。
ただでさえ疲れているのに、普通車で邪魔され、ストレスはMAX状態。次のSA・PAに行くまでの間、積み重なった疲労や眠気によって大事故を起こしかねません。
長距離を走るトラックやバスのドライバーに駐車スペースについて話を聞いてみると「長距離を走っているときは、少しの休憩で負担が違ってきます。ですので、サイズ違いの乗用車が駐車スペースにいるせいで自分のクルマを停められないときは辛いですね」といいます。
大型車用駐車スペースにたとえ1台でも普通車が停まっているだけで、大型車のドライバーは休憩を諦めざるを得ない状況になるのです。
いくら法律上で定められていないからといって大型車スペースに止める行為は、「ルールしか見ていない、常識やマナーがない人」ということになります。


























