“全長5m”のスズキ最大「3列シートSUV」あった! パワフルな「V型6気筒エンジン」搭載した「XL7」今どうなった!? 数奇な運命をたどる「海外専売モデル」とは!
スズキと言えば「小型車」のイメージが強いブランドですが、かつて海外には「全長約5m」という巨大なスズキ製のSUVが存在しました。
スズキ製の巨大な「大型SUV」があった!
スズキといえば「軽自動車」や「コンパクトカー」など、小型のクルマを得意としている印象の自動車メーカーですが、過去には全長約5mという“巨大なSUV”も製造・販売していました。
一体どのようなモデルだったのでしょうか。
そのモデルとは、かつてスズキが北米を中心にラインナップしていた「XL7」です。
同車は、斬新な形状のヘッドライトを備えた個性的なフロントマスクを特徴とする、7人乗りの大型SUV。
2006年4月にニューヨーク・オートショーで発表され、同年10月からアメリカをはじめとした各地で販売がスタートしました。
ボディサイズは全長4995mm×全幅1835mm×全高1750mmと、スズキ製の乗用車としては歴代最大の巨体を誇り、パワーユニットには、スズキが日本の工場で生産した3.6リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載。
このエンジンは最大出力250馬力・最大トルク33.6kg・mを発揮し、巨大なボディを軽々と加速させる力を持っていました。
スズキはこのXL7を成功させることで、徐々に大型車のラインナップを充足させていく計画でしたが、2007年9月にアメリカを起点とした世界金融危機(リーマン・ショック)が勃発。
XL7のメイン市場と見込んでいたアメリカで景気が落ちこみ、大型車の需要が急激に冷え込んだことから、スズキは翌年2008年にはXL7の生産終了を決断します。
年間総生産数4万5千台を計画していた「スズキ最大のSUV」は退場を余儀なくされ、「大型車市場に参入する」というスズキの夢も儚く散ってしまいました。
※ ※ ※
こうしてXL7の歴史はいったん幕を閉じましたが、約11年後の2020年に、スズキ・インドモービル・モーターが新たなSUVを作るにあたって“XL7”という車名を採用。
かつて主戦場だったアメリカとは全く異なる地でXL7は復活し、現在はインドやタイ、インドネシアなどアジアを中心に展開されています。
この現行XL7のボディサイズは、全長4450mm×全幅1775mm×全高1710mmで、ホイールベースは2740mm。
車体はかなり小さくなりましたが、エクステリアは力強いフロントフェイスや張り出しの強いフェンダーモールなど、SUVらしいタフさを感じさせるデザインです。
インテリアは、多彩なシートアレンジが可能な3列シートと、ゆとりのある車内空間がセールスポイントとなっています。
また搭載するパワーユニットは、1.5リッター直列4気筒エンジンに5速MTもしくは4速ATと組み合わせ、最高出力105馬力・最大トルク138Nmを発揮。
安全装備として、EBD(電子制御制動力配分システム)つきABS(アンチロック・ブレーキシステム)などの機能を装備します。
この現行XL7の参考価格ですが、インドネシアの場合は2億6020万インドネシアルピア(約245万8611円)から現在も販売中です。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。