「凍結したクルマのフロントガラス」お湯かけるのは絶対ダメ! なぜNG? 寒冷地の人が実際やってる「1分で解凍する方法」とは?
冬の朝にクルマのフロントガラスが凍結していて、溶けるまで発進できないことがあります。お湯を掛ければすぐに溶けると思うかもしれませんが、これは絶対にやってはいけないNG行為です。寒冷地に住んでいる人はどのように対処しているのでしょうか。
寒い地域に住んでいる人はどう対処している?
寒い冬の朝にクルマに乗ろうとすると、フロントガラスが凍結して前が見えず、すぐに発進できないことがあります。
ガラスだけでなくボディ全体が凍結してドアが開けづらくなってしまうこともありますが、寒い地域だけでなく都心部でも凍結に注意が必要です。
そんな、クルマのフロントガラスが凍ったときの対処法としてやってはいけないことがあります。一体どのようなことなのでしょうか。
凍ったフロントガラスを溶かすため、お湯をかける人がいるかもしれません。一見、スムーズに凍結が解消されるように思われますが、これは絶対にやってはいけない行為なのです。
というのも、凍結するほど冷え切ったフロントガラスにお湯をかけると大きな温度差が生じ、ガラスが破損する可能性があるからです。
実際に降雪が多い地域や、雪は少なくても気温が低く凍結になりやすい地域ではどう対処しているのでしょうか。
まずは一般的な対処法について、自動車販売店 店長のK氏に聞いてみました。
「まずエンジンを始動させて、クルマを温めます。ガソリンエンジン車の場合はエンジンの熱が活用でき、ウインドウ内側を温かい空気を吹き付けることで曇りを除去する『デフロスター』を使って凍結を溶かします。
現在はアイドリング状態での暖機運転が環境面への配慮から推奨されていないのですが、出発前の数分だけでも車内を温めておければいいでしょう。
また、走行後は『急』のつく操作を避け、十分にオイル類が温まるまで労るような運転をすることも大切だと思います」
K氏が言うように、アイドリングは環境に悪影響があるとされており、また、消費電力も多いのでバッテリーあがりの原因になることも。
そして最近は解氷剤が入ったスプレーでガラスの凍結を解消するケースが非常に増えているようです。
実際、新潟県在住のMさん(60代男性)は、暖機運転より「解氷スプレー」を使う頻度が増えたと言います。
「これまでは、デフロスターで凍結を一部溶かしてからスクレイパーで除去するのが一般的でしたが、最近では『解氷スプレー』を凍結したウインドウに吹きかけています。
すぐに溶けるので、スクレイパーで除去するにしても、かなり時短になっています」
解氷スプレーは、水が氷になる温度を下げる「凝固点降下」という化学反応を応用したものです。
主成分はエタノールやイソプラパノールなどのアルコール類なのですが、エタノールの凝固点は-114度と非常に低く、雪や氷を素早く溶かすことができます。
かつてJAFが行った「フロントガラスの凍結防止対策の実験」でも、デフロスターを使用した時に視界が確保できるまで10分程度かかったのに対し、解氷スプレーを使用した場合は1分程度で溶かすことができたという結果が出るなど、即効性が期待できる方法です。
栃木県のHさんも解氷スプレーを使っているとのこと。栃木県は雪が比較的少ない地域ですが、強烈な寒気でガラスが凍結するのは日常茶飯事だといい、トランクにスクレイパーを常備し、解氷スプレーはエンジン始動と同時に併用しているそうです。
「解氷スプレーが切れてしまった場合、コロナ禍に購入して残っていた消毒スプレーを『解氷剤』代わりに使うこともできます。入っている成分がほぼ一緒なので代用できるのです。
ただし、エタノールが内装に付着してしまうと染色された部分を溶かしてしまうので、取り扱いには注意しています。また同じように、コーティング剤や塗装面も傷めやすいので、ガラス面だけに使うようにしています」
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解氷スプレーはすぐに効果が出るのと安価に手に入ることから、近年使用する人が増えています。
使い方さえ間違えなければ、冬の必需品として活躍してくれるでしょう。
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