トヨタが全長5m級新型「カクカクSUV」実車展示! 現代版「ハイラックスサーフ」が凄い!? V6廃止でもパワーアップ? 「4ランナー」どんなクルマ?

ロサンゼルスモーターショー2024にて、トヨタは北米向けSUV「4ランナー」の最新モデルをお披露目しました。

トヨタ、北米向けSUV「4ランナー」新型モデルを初公開 LAショー2024

 2024年11月21日より開幕したロサンゼルスモーターショー2024にて、トヨタは北米向けSUV「4ランナー」の最新モデルをお披露目しました。

 いったいどのようなクルマなのでしょうか。

現代版ハイラックスサーフこと「4Runner」(現地撮影:加藤博人)
現代版ハイラックスサーフこと「4Runner」(現地撮影:加藤博人)

 トヨタは北米市場において「カローラクロス」「RAV4」「ヴェンザ」「ハイランダー」「グランドハイランダー」「クラウンシグニア」「セコイア」「ランドクルーザー」「bZ4X」など多くのSUVを販売していますが、中でも本格派ミドルサイズオフローダーとして長年にわたって愛されてきたのが「4ランナー」です。

 4ランナーは日本でも2009年まで販売されていた「ハイラックスサーフ」の海外仕様車で、当初はピックアップトラック「ハイラックス」のベッド部分に、FRP製の脱着可能なルーフを架装したモデルとして誕生しました。

 2代目からはルーフが一体化されたものの、1990年以降のRVブームによる後押しを受けて強い人気を博しました。

 その後、3代目以降は北米市場向けピックアップ「タコマ」をベースとしただけでなく、ハイラックスが新興国市場向けの小型なピックアップとして刷新されたことも影響し、ハイラックスサーフは徐々に大型オフロードSUVとしての進化を歩みました。

 2024年には最新モデルとなる6代目モデルが発表され、同年おわりの発売を予定しています。

 そんな4ランナーですが、2024年4月には6代目となる最新モデルが発表されました。

 同年11月21日よりスタートしたロサンゼルスモーターショー2024では初めて実車が一般公開され、多くの来場者から注目を浴びました。

 新しくなった4ランナーは全長4950mm×全幅1976mm×全高1798mm、ホイールベース2850mmを誇り、先代モデル(4831mm×1925mm×1795mm、2790mm)よりも大型化しています。

 二段構えのフロントマスクはそのまま残しつつ、吊り目形状のヘッドライトやワイドになったグリル開口部はさらなる上質感とオフロードのエッセンスを感じられるデザインです。

 先代モデルで好評だったリアゲートの電動ウィンドウも新型モデルで健在です。

 搭載エンジンは今回のモデルチェンジでT24A-FTS型2.4リッター直列4気筒ターボエンジンに一本化され、純ガソリンかハイブリッドが選択できます。

 V6エンジン搭載モデルは5代目限りで廃止となったため、力強いエンジンを求める消費者にとっては少々ネックかもしれません。

 ですが、単純に出力とトルクで比較すると新たに投入されたハイブリッドパワートレイン「iFORCE MAX」は出力326 hp/トルク630 Nmを叩き出し、270 hp/376 Nmを誇る先代のV6搭載モデルよりも大幅なパワーアップを実現しました。

 新型モデルで同じエンジンを搭載する純ガソリンモデルでも278 hp/430 Nmという数値を実現しています。

 駆動方式は後輪駆動を基本とし、パートタイム4WDやフルタイム4WDといったモデルも選択ができます。

 アメリカではトレーラーやモーターホームを牽引することはごく普通で、新型4ランナーでは6000ポンド(約2721キログラム)の牽引能力を誇ります。

 上級グレードではセンターに14インチのマルチメディアタッチディスプレイ(下級グレードでは8インチ)を搭載、Apple CarPlayやAndroid Auto、無線充電といったスマートフォンとの連携機能もバッチリです。

 インストルメントパネルには12.3インチフル液晶ディスプレイ(下級グレードでは7インチ)も搭載しています。

 また、14スピーカーで構成されるJBL製サウンドシステムが極上の音質体験をもたらしてくれます。

 オフロードに適したラギッドなSUVですが、安全性にもしっかりと気を使っています。

トヨタ「ランドクルーザーシリーズ」とはまた違ったカクカクSUV(現地撮影:加藤博人)
トヨタ「ランドクルーザーシリーズ」とはまた違ったカクカクSUV(現地撮影:加藤博人)

 全グレード共通でToyota Safety Sense 3.0を標準で装備しており、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報(LDW)、レーダークルーズコントロールといった運転支援機能に対応します。

 ラインナップは「SR5」「TRD Sport」「TRD Sport Premium」「TRD Off Road」「TRD Off Road Premium」「Limited」「Platinum」「TRD Pro」「Trailhunter」の合計9グレードで構成されます。

 TRDを冠するグレードは他グレードよりもスポーティなパッケージとなっており、TRDグレード最上級「TRD Pro」ではTRDチューンのFOX製サスペンションや33インチのトーヨータイヤ製オフロードタイヤなど、メキシコにおける著名ラリー「バハ」への参戦経験からフィードバックした装備を標準で搭載します。

 また、この世代から新たに追加された「Trailhunter」はアウトドア趣味を全力で楽しめるグレードです。

 ブロンズ仕上げの専用18インチホイールやAピラー横の吸気用シュノーケル、ARBやオールドマン・エミュー、リジッド・インダストリーズといった老舗オフロード部品メーカーとのコラボで生まれた専用装備を盛り込んでいます。

 グレード専用の外装色として深緑色の「Everest」も選択が可能です。

 米国での販売価格はまだ発表されていないものの、価格帯は4万ドル台前半(約600万円前後)から5万ドル台後半(約750万円)になると予想され、発売は2024年の終わりを予定しています。

【画像】超カッコイイ! これが「新サーフ」です。(77枚)

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Writer: 自動車ライター加藤博人

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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