知ってたら「おじさん」!? 一定速度越えたら車内で「キンコン」…“謎の警告音”実は若者にも人気ってホント!? 今のクルマで聞けなくなった「納得の理由」とは

「レトロでいいね」あえて後付けする人も!?

 1986年に速度超過警報ブザーが廃止されすでに38年経ちます。その頃子どもだった筆者(きずき)も、親の運転するクルマの後ろで「キンコン」音が鳴っていたのを覚えています。

1982年に登場したホンダ「プレリュード」(2代目)のメーターパネル
1982年に登場したホンダ「プレリュード」(2代目)のメーターパネル

 キンコン音を聞いて懐かしいと思うことで、世代がバレてしまうかもしれませんね。しかし若者の間でも、いまだ知名度は衰えていないようです。

 そのきっかけは、人気のアニメ「頭文字(イニシャル)D」で主人公が乗るトヨタ「スプリンタートレノ」(AE86)の走行中に「キンコン」音が鳴ったことでした。

 アニメを見た若い人たちは何の音かわからず、大手質問サイトやSNSなどで「あれは何の音なのか」などと質問しています。30年以上前の装備では知らないのももっともですね。

 さらに人気のパチンコ「頭文字(イニシャル)D」でも、この「キンコン」音が使われています。大当たりを予測させる場面でキンコン音が鳴るのでパチンコ好きな方の間では話題です。

 そうしたアニメ作品の影響もあって、「古き良き時代への憧れ」で、速度超過警報ブザーを「後付け」する人も出てきています。

 たとえばとあるオークションサイトでは、「カローラレビン/スプリンタートレノ」用のトヨタ純正速度超過警告ブザーの中古部品が出品され、1万円以上の値段がついていました。

 いっぽうお手軽なところでは、スマホでこの「キンコン」音が鳴らせるアプリも出ているようです。ただのおもちゃではなく、きちんとスマホのGPS機能により速度算出を行なって、実際に速度超過と判断すれば音が鳴る仕組みです。

 とはいえ現在では、新東名をはじめ最高時速が100km/hを超える高速道路も増えており、もはや実態とは合ってきていません。エアバッグなどクルマの安全性も向上していることから、速度超過警報ブザーはその役目をほぼ終えています。

 もっともこうした「警告ブザー」自体は、自動運転が普及してくることにより、速度の状況や前方の状況などをドライバーに知らせる機能として必要になってくることも考えられますね。

TSUMUJI Writing Studio(きずき)

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