全長4.7m切りで「9人乗り」! トヨタの「最新“3列シート”バン」どんな人が買ってる? 5ナンバーサイズで「ファミリー」にもピッタリ!? 「ハイエース 少しレア仕様」の特徴は

トヨタ「ハイエース」には、5ナンバーサイズながら「3列シートで9人乗り」を実現したグレードがあります。一体どのようなもので、どういった人に支持されているのでしょうか。

レアな9人乗り仕様はどのようなユーザーが買うのか

 業務用、そして家庭用のミニバンとして高い人気を誇るトヨタ「ハイエース」。数あるグレードのなかで、ちょっとレアな定員が9人乗り仕様のモデルが存在します。
 
 このレア仕様はどのようなユーザーに好まれるのでしょうか。最新の納期を含めて販売店に聞いてみました。

9人乗りモデルがある!?
9人乗りモデルがある!?

 2004年8月にデビューし、この10年間のあいだに3回のマイナーチェンジや、度重なる一部改良を繰り返して現在にいたる5代目ハイエース(H200系)。最新型は「8型」といわれています。

 現在の8型となったのは、2024年1月に実施された一部改良時です。

 この時点での主な改良点は、バンの「スーパーGL」に、ベージュなどの専用外板色や、マットブラックフロントグリルをあしらった「アースカラーパッケージ」が新たに設定されたほか、「DX」にイージークローザー(スライドドアおよびバックドア)が設定されたことです。

 また、福祉車両の「ウェルキャブ 車いす仕様車」には、アンカーバー付車いすに、スイッチ操作のみでワンタッチ固定が可能な「BUタイプ」、「FUタイプ」を新たに設定し、車いす固定作業の効率化および迅速化に寄与しています。

 また、救急車仕様には、車間通信システム「ITS Connect」を標準設定し、救急車が緊急走行中であることを、周辺のITS Connect搭載車両に知らせることで救急車の安全な走行を支援し、救急搬送時間の短縮や事故防止につながる機能が盛り込まれています。

 そんなハイエースですが、アウトドアやキャンプなどの自家用車として、あるいは大工をはじめとする職人たちの道具が満載できる積載車として、さらにはウェルキャブや救急車などの特殊な用途に特化したモデルなど、幅広い用途に応えられるだけの汎用性と堅牢性、積載能力を兼ね備えた希有な存在といえます。

 ボディタイプは、大きく分けて「ワゴン」と「バン」、さらに中型免許が必要な大型モデル「ハイエースコミューター」の3モデルに分けられます。

「ハイエース ワゴン」は、直列4気筒 2.7リッターガソリンエンジンを搭載し、定員は10名、駆動方式は2WDと4WDの2タイプが設定されています。

 そしてハイエース バンは、2WD仕様は直列4気筒 2リッターガソリンエンジン、4WD仕様には直列4気筒 2.8リッターディーゼルエンジンが設定されています。

 定員はグレードによって異なり、2/3/5/6/9名とさまざまな仕様が用意されており、グレードより4ナンバーまたは1ナンバー登録となります。

 さらにハイエース コミューターは、直列4気筒 2.7リッターガソリンエンジン×2WDおよび2.8リッターディーゼルエンジン×4WDの組み合わせが設定され、定員は14名となっています。

 そして、ハイエース バンのなかでもっとも定員が多い「9人乗り仕様」が選べるのは、DXグレードの4ドアでかつ、ロング&標準幅のボディ、標準タイプのフロア形状、6速AT、2WD仕様は直列4気筒 2リッターガソリンエンジン、4WD仕様は直列4気筒 2.8リッターディーゼルエンジンといった具合に、かなりピンポイントです。

 ロング&標準幅ボディなので、全長は4695mm×全幅1695mmと5ナンバーサイズに収まるうえ、3列シートが備わるという、一見するとミディアムミニバンのような特徴を持つ9人乗り仕様。

 実際どのようなユーザーに好まれているのか、また納期について首都圏にあるトヨタディーラーのスタッフに問い合わせたところ、以下のようなコメントが得られました。

「本当にいろいろな用途でお使いいただいていますよ。たとえば介護施設の送迎車だったり、中小企業の送迎車として駅を巡回するケースもありましたね。

 あとは、少年野球チームのコーチが子どもたちを乗せるために自家用車として購入されたケースもありました。

 そしてご納期ですが…ハイエース全モデルで現在は受注停止の状態でして、注文が受けられない状態が続いています」

 また、別の販売店では以下のようなコメントをいただきました。

「3世代同居で、お子さんが4人というご家族にお買い求めいただいたことがあります。

 年に数回と限られた機会だそうですが、ご家族総出で出掛けるとなると、フル乗車だと8名になるんです。

 夏はパパ&ママ、4人のお子さんでキャンプに行かれるそうで、あれこれと条件を加えていくうちに最後に残ったのが9人乗りのハイエースバンだったそうです。

 そしてご納期ですが、受注停止の状態なので、目処がつかない状況なんです。

 今年1月のときのように、一部改良を行うタイミングで受注が再開されると見込んでいます」

 多くのユーザーがハイエース全モデルの生産再開を待ち望んでいることは間違いありません。

 一部改良を行うタイミングで受注再開が期待されるとはいえ、モタモタしているとあっという間に生産枠が埋まってしまう可能性もあるのです。

 付き合いのある販売店のセールスマンと密に連絡を取り合い、受注が再開された時点で即オーダーができるように準備しておいた方がいいかもしれません。

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トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]
トヨタ ハイエースバン スーパーGL 特別仕様車“ダークプライム II”[写真は2018年8月モデル追加時のモデル/最新モデルとは細部が異なります]

Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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