マツダ、CX-8が受注台数を伸ばしている理由とは 月間計画販売台数の10倍受注
ミニバン市場は飽和状態?
もう一つの要因として、ミニバン自体が成熟しきってしまい、市場にも溢れて飽和状態になりつつあるというのも挙げられるのではないでしょうか。
実際、CX-8を購入しているユーザーも30代以下のユーザーが40%を占め、若いファミリーからも引き合いがあると言います。
これはマツダとしても予想外の出来事だったようで、ファミリー層に人気の8人乗り仕様のグレード拡充も検討しているほどです。つまり、「スライドドアは便利だけど、マストではない」というユーザーが増えていることを意味しているのです。
好調なCX-8の予約受注台数についてマツダ広報部に聞いてみました。
―――予約された年齢層はどんな方が多いのでしょうか?
9月14日の発表・予約開始後から、12月14日の発売開始までのおよそ3か月間に7362台もの予約受注をいただきました。またマツダの国内フラッグシップSUVということで価格帯も割安ではないですが、意外にも30代、40代を中心としたお客様から受注をいただいており、新型CX-8の洗練されたSUVスタイルと多人数乗車、ユーティリティの両立に、比較的若い方からも好評いただいております。
―――現在までの詳しい予約受注構成比やボディカラー比率などについてはどんな状況でしょうか?
グレード別の予約受注構成比は、セカンドシート間に専用大型コンソールボックスを備え、本物の素材にもこだわり上質さと豊かさを際立たせた「L Package」が43.2%、先進の安全装備を充実させた「PROACTIVE」が51.3%です。
ボディカラーは、「機械の持つ精緻な美しさの追求」をテーマに、リアルな金属質感を実現した「マシーングレープレミアムメタリック」が33.1%(2434台)、彩度や深みを増し、「魂動デザイン」の造形を質感高く際立たせた「ソウルレッドクリスタルメタリック」が12.7%(936台)です。
また駆動比率は、「2WD」が57.1%、「4WD」が48.3%、乗車定員比率は、「6人乗り」が59.9%、「7人乗り」が40.1%となっています。
(取材日:2017年12月15日)
また前述の理由に加え、マツダ独自のスカイアクティブテクノロジーを採用したことで、「車の大きさを感じさせないリニアなドライバビリティ」や、「多人数乗車を可能としながら、かっこよさを感じる」「内装の細部に至るまでこだわりを感じた」という内外装の魂動デザインも人気の要因のようです。
ちなみに、以前、マツダ関係者に「ミニバンで魂動デザインはできないのか?」という質問をぶつけたことがありますが、それは不可能ではないとの答えが返ってきました。
しかし、マツダが一貫して訴求してきた“走る歓び”を、デザインだけでなく、走り、質感といった各領域において実現しつつ、多人数乗りのニーズに応えるためには、ミニバンではなく3列シートSUVが適していると判断したそうです。その結晶がCX-8というわけです。
余談ではありますが、2017年度のミニバン販売台数はノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟が平均15,000台/月、アルファード/ヴェルファイアやセレナが平均7000台/月となっており、ここにCX-8がどのくらい食い込めるかが今から楽しみです。