「GT-R」じゃないけど高性能!? 日産「R31スカイライン」に存在した“希少車”がスゴかった! 本気のスポーツ仕様「GTS-R」とは?

日産7代目「スカイライン(R31型)」に設定された「GTS-R」は、限定800台があっという間に完売したほど当時は人気でした。現在も愛好家が多く、中古市場に出ない幻の名車といわれています。

幻の名車「スカイラインGTS-R」どんなモデル?

 1985年に発売された日産の「R31型スカイライン」は、「GT-R」グレードが復活して大きな人気を得たR32型と比べると、市場での支持を得られなかったクルマです。
 
 しかし個性的なグレードもあり、現在もマニアックな人気を誇っています。
 
 例えば、R31型に設定された「スカイラインGTS-R」は、今でも人気が高い一台だといえるでしょう。

コアな人気を誇る「スカイラインGTS-R」(R31型)
コアな人気を誇る「スカイラインGTS-R」(R31型)

 R31型スカイラインは1985年から1990年にかけて販売されたモデルで、スカイラインとしては7代目に当たるため「7th」とも呼ばれています。

 ボディータイプは2ドアクーペのほか、4ドアセダンと4ドアハードトップ、ワゴンの4種類。これまでのスポーツ路線とは異なる、高級志向の内外装へと変更された、いわゆる「ハイソカー」の一台として展開されました。

 1987年にR31型のマイナーチェンジが行われ、その際に追加されたのが「スカイラインGTS-R」です。

 当時、グループAという自動車レースが行われており、このレースに参加するための認証を取るために作られた、いわゆる「ホモロゲーションモデル」となっています。

 同車は「スカイライン GTS-X」の2ドアクーペがベースとなっており、グループAで勝利を収めるべく大幅なチューンアップが施されました。

 特に強化されたのはエンジン回りです。

「GTS」に搭載されていたRB20DET型をチューンした「RB20DET-R」は、専用の大型ターボチャージャーや大型インタークーラーを追加し、さらにカルソニック製のステンレスエキゾーストマニホールドを装備。

 2リッターエンジンながら210psを発揮する、当時でも高い性能を持つエンジンでした。

 また、外装もより速くするための軽量化を行いつつ、特徴的な大型リアスポイラーを採用するなど、走りに特化したカスタマイズを実施。その他にも、専用のステアリングやシートも装備したハイグレードな一台だったのです。

 スカイラインGTS-Rは800台限定で販売され、一部はレース用にさらにチューニングされて全日本ツーリングカー選手権などに参戦。

 なかでも、1989年の全日本ツーリングカー選手権に出場した、白いボディカラーが特徴の「リーボック・スカイラインGTS-R」はシリーズチャンピオンを獲得し、高い人気を獲得しました。

 R32型と比べてR31型は影が薄い存在ですが、スカイラインGTS-Rはコアな人気を誇るモデルです。

 しかし、台数限定だったこともあり、中古車市場に出ている台数もわずか。

 価格も状態が良いものだと500万円以上しますが、マニアックなクルマに乗りたい人にはうってつけかもしれません。

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