ちょっと押し出し感の強いデザインが人気のミニバン「ヴォクシー」

ショッピングモールやスーパーの駐車場でよく見かける多人数乗用車のミニバン。そのミニバンの中でも人気があるのがトヨタ「ヴォクシー」。いったいどんなクルマなのかチェックしてみよう 。

ヤングファミリー層に人気の5ナンバーミニバン

 いわゆるトヨタ自動車が製造販売する「5ナンバーサイズミニバン」で、トヨタの販売店チャネルの違いで中身はほぼ一緒の兄弟車「ノア」と「エスクァイア」が存在します。ヴォクシーは、ネッツトヨタ店専売車種で、「ノア」と「エスクァイア」と比べると、ドレスアップの要素が強く、若々しいイメージが色濃くキャラクターに反映されています。

 排気量は2000㏄、サイズもベースグレードでは車幅が1700mm以内の5ナンバーですが、一部エアロバンパーなどの張り出しの関係でわずかにサイズがオーバーするために3ナンバーになるグレード・仕様も存在します。しかし絶対的な取り回しの良さと、小型車並みの税金でファミリー層に人気のミニバンの1台と言えるでしょう。

ヴォクシー ZS(ハイブリッドモデル)

 3代目となる現行モデルのヴォクシーでは、新開発した骨格の恩恵でフラットなフロアを実現することに成功しています。フロアがフラットになったばかりではなく、フロアの高さが従来のモデルよりも低床化した一方で頭上高も従来モデルより6センチ高くなっているので、広大なキャビンスペースを確保することに成功しています。

 この低床化によって車体全体を低重心化させ、乗り心地やドライブ時の安定感の向上にも寄与しています。惜しみなく刷新されたこのクルマのエンジンも、従来から継続採用される2000ccガソリンにに加え、1800ccエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車も新設定され、コンパクトカーに比べると大きいボディのミニバンであってもハイブリッドカーという低燃費モデルも用意されるラインナップ構成になっています。

 安全装備に関しても、2017年にマイナーチェンジしたモデルから新たに、レーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせた2つの異なるセンサーを採用した、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームがセットになった衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を、一部のグレードを除き標準装備されるようになりました。

 ヴォクシーを端的に言うと「あきらめないキャラクター」ではないでしょうか。同じスペースなら最大限の人数でドライブに出かけたい、というミニバンの持つ特徴はもとより、燃費も、安全も、そして、家族との時間をともにするクルマでありながらも、スタイリッシュな一面すらあきらめたくない。そんな姿勢とスタンスが、特に強調されているように感じます。

 ファミリー向けの一台としてはもとより、単身者であってもすこし大きめのクルマでゆったりと趣味や、ドライブを楽しみたいという方にもピッタリな一台だと言えるのではないでしょうか。

【了】

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Writer: 中込健太郎(自動車ライター)

大手自動車買取販売会社で中古車流通の実務、集客、ウェブコンテンツ制作など歴任。クルマそのものについての紹介、執筆に加え、「クルマでどこへ行くか、クルマで何をするか」という、人との関わりについての考察も多数。温泉ソムリエとして、クルマだからこそ気軽に行ける温泉探しにも余念がない。モットーは「クルマはそれ自体が人と人をつなぐメディア」。

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