空のパイロットではない!? 陸を駆け抜ける「ハイウェイパイロット」なぜ誕生? バスの「運転手不足」改善なるか 年収600万円まで引き上げも

現在、バス業界では人手不足が深刻な問題となっています。人手が足りないことによりバスの本数が減らされたり、路線が廃止になったりと、影響を及ぼします。そんななか、高速バスで知られるWILLER EXPRESSは、運転手の名称を「ハイウェイパイロット」に変更すると発表しました。なぜ運転手の名称を変更したのでしょうか。

「安全と接客の両立」を実践するハイウェイパイロットの育成

 専門施設によるハイウェイパイロット育成プログラムを「WILLER LABO」と呼び、2024年5月より始動しています。

 これまでは各営業所で研修を行っていましたが、一箇所で実施することにより研修の効率化が期待されています。

  研修期間は12週間。最初の2週間は接客の知識や英会話、非常時対応などの座学を受けた後、車両点検やクラッチ操作など基本的な内容の確認から昼間・夜間の走行訓練といった実技研修を行います。

 また、WILLER LABOは業務員の定着率を上げるための取り組みの一つでもあります。

 研修期間は、集団での生活を送ります。この集団生活を通じてLABO生同士の仲間意識を醸成することによって定着率につながると考えられています。

 前出の担当者は次のように話しています。

「高速バスの運転手という仕事は、非常に孤独だと感じており、時にワンマン乗務もあり安全も求められるため大 変苦労の多い仕事です。

 そんな中で心の支えになるのが、苦楽を共にしてきた仲間の存在となります。

 壁に ぶつかった時も仲間と助け合いながら乗り越えてもらいたいという想いがあります」

「ハイウェイパイロット」による職業ブランド化がどのような成果をもたらすのか期待される
「ハイウェイパイロット」による職業ブランド化がどのような成果をもたらすのか期待される

 また、実際に研修を受けたLABO生たちからは「教習所とは異なり、一人一人に細かく教官に指導してもらえる点がとても良い」、「自分自身の運転技術のク セや弱みについても教えてもらえるので、凄く学びになった」、「また乗りたいと思ってもらえるようなハイウェイパ イロットを目指したい」といった声が寄せられており、教育内容に満足している人が多いようです。

 WILLER LABOの今後の目標としては、指導者のスキル標準化があります。

 指導マニュアルの作成や研修の実施で標準化を図っていく予定とのことでした。

※ ※ ※

人手不足による業務への悪影響が影響されている今だからこそ、運転手への待遇を改善し、新たな人材を呼び込む必要があります。

 WILLERでは、平均給与の引き上げを社内に告知しており、2024年から3年かけて平均年収を600万円まで段階的に引き上げていく予定です。

「ハイウェイパイロット」による職業ブランド化がどのような成果をもたらすのか期待されます。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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