トヨタに「ヤリス“セダン”」あった!? 4.4m「カローラ級サイズ」に精悍クーペデザインがカッコいい! 約230万円級・お手頃モデルのタイ製「ATIV」とは!

トヨタ「ヤリス」シリーズはラインナップの中核を担うモデルですが、なかには日本に存在しない魅力的なモデルもあります。そのひとつが「ヤリスエイティブ」です。

独自の進化を遂げる「ヤリス」

 トヨタのコンパクトカー「ヤリス」は、通常の5ドアハッチバックモデルのほか、主力となった「ヤリスクロス」、そしてモータースポーツで勝つことを至上命題に生まれたホッテストモデル「GRヤリス」が存在することも知られています。
 
 そんなヤリスの名前を冠したモデルの中で、日本ではお目にかかることができないモデルが存在します。それが「ヤリスエイティブ(Yaris ATIV)」というものです。

これめっちゃいいじゃん! トヨタ「ヤリス エイティブ」
これめっちゃいいじゃん! トヨタ「ヤリス エイティブ」

 ヤリスエイティブはタイで販売されている4ドアセダンで、日本のヤリスとは異なるプラットフォームを使用。やや大きなボディを持ちます。

 ボディサイズは全長4425mm×全幅1740mm×全高1480mmとなっており、日本仕様の「カローラセダン」にほど近いもの(ヤリスエイティブの方が全高以外はやや小さい)。

 搭載されるエンジンは最高出力69kW(94馬力)/110N・mを発生する、1.2リッター直列4気筒DOHCエンジンの「3NR-VE型」を採用。トランスミッションは全車CVTという組み合わせで、前輪駆動レイアウトとなっています。

 この3NR-VE型というエンジン型式でピンときた人もいるかもしれませんが、実はヤリスエイティブの開発はダイハツが担当し、使用されるプラットフォームもダイハツのDNGAに基づいたものが採用されているのです。

 そのため、一連のダイハツの不正時には対象車種の一部として出荷停止となる事態となったのでした。

 そんなヤリスエイティブが販売されるタイでは、もともとセダンモデルの需要が高く、ヤリスエイティブの前のモデルは「ヴィオス(VIOS)」という名前で販売(一部地域では現行型ヤリスエイティブもヴィオス名義で販売中)。ワンメイクレースが開催されるほどの人気ぶりを誇っています。

 そのため、現行型のヤリスエイティブはクーペスタイルのスポーティなフォルムが採用され、さらにパッケージオプションとして、「プレスト」「キアーロ」「ルッソ」と名付けられたドレスアップパッケージが用意されています。

 さらに日本でも人気の高い「モデリスタ」ブランドのエアロを装着した仕様も存在するなど、かなり力が入れられていることが分かります。

 価格はエントリーグレードの「スポーツ」が54万9000バーツ(約236万円)、最上級グレード「プレミアムラグジュアリー」が69万9000バーツ(約300万円)となっており、タイで販売されるトヨタ車のエントリーモデルとしての役割も担っています。

 ちなみにタイではヤリスエイティブのほか、ハッチバックタイプのヤリスも併売されています。

 そしてヤリスエイティブ同様、こちらも日本仕様のヤリスとは異なり、ひと回り大きなボディを持ったもの。

 ただしベースは2013年に登場したもので、ヤリスエイティブよりも古いタイプという点を見ても、いかにタイ市場がセダンを重要視しているかが分かると言えるでしょう。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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