外国人ドライバーの「重大事故」急増!? 実は8割が「日本の免許」持ちって本当? 背景にある「外免切替」問題とは 警察庁が統計発表
警察庁は先日、2026年上半期における交通事故の発生状況に関する統計を公表しました。これによると、外国人運転者による死亡・重傷事故が近年増加傾向にあり、その対策が課題となっています。
事故増加の背景には「外免切替」制度の問題を指摘する声も
警察庁は2026年7月末、2026年上半期(1月~6月)における交通事故の発生状況に関する統計を公表しました。これによると、2026年上半期の交通事故死者数は1162人で、前年同時期と比べて1人増加し、ほぼ横ばいの状況でした。
そのような中、外国人運転者による死亡・重傷事故は近年増加傾向にあることが分かっています。
直近5年の上半期における死亡・重傷事故件数をみると、2022年が180件(うち死亡事故は15件)、2023年が227件(22件)、2024年が239件(17件)、2025年が267件(22件)、そして2026年は323件(18件)と増加しています。
また2026年上半期の死亡・重傷事故323件について、運転者を国籍(地域)別にみると、「中国」が86件で全体の26.6%、次に「韓国・朝鮮」が62件で19.2%、「ブラジル」が38件で11.8%、「ベトナム」が28件で8.7%、「フィリピン」が20件で6.2%などとなっています。
これらの国籍の外国人は、そもそも日本に住んでいる人数が多いため、事故件数も一定程度多くなることが考えられます。
さらに、2026年上半期の死亡・重傷事故323件のうち、「日本の運転免許」を保有していたのは266件で全体の82.4%と大部分を占めました。次いで、「国際運転免許」の21件、「外国の運転免許」の4件などと続きます。
つまり、外国人運転者による重大事故が増加した上、その内訳は日本の運転免許を保有した外国人による事故が多いという現状があります。

この背景の一つとして、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える、いわゆる「外免切替」によって日本の運転免許を取得する外国人が増えていることが指摘されています。
警察庁が公表している運転免許統計によると、2025年中に外免切替によって運転免許を取得した外国人は6万444人、前年の2024年中は7万5905人と過去最多を記録するなど、高い水準で推移しています。
なお、基本的に外免切替の手続きは、パスポートや住民票などの書類審査を通過した後、適性試験、知識確認、技能確認という流れでおこなわれます。
知識確認とは日本の交通ルールを問う学科試験で、技能確認は運転技能を確認するための試験であり、これらの試験に合格すると、日本の運転免許証が交付されます。
この外免切替の手続きは2025年10月から厳格化されていますが、それ以前は「試験の基準が甘すぎる」「外国人が簡単に日本の運転免許を取得できてしまう」などの批判が相次いでいました。
たとえば現在、知識確認は問題数50問のうち90%以上の正答率で合格という基準ですが、外免切替が厳格化される前はイラスト問題10問のうち70%以上の正答率で合格という比較的緩い基準だったほか、日本語以外の複数の言語で受験できる状況でした。
加えて、書類審査に関しては、観光客のような短期滞在の外国人であっても、一時滞在先のホテルを住所地として申請できてしまう実態もありました。手続きの厳格化後は原則として「住民票の写し」が必要であり、短期滞在の外国人が日本の運転免許を取得できない仕組みになっています。
また外免切替が厳格化される前の2025年5月には、外免切替によって日本の運転免許を取得した中国籍の男が飲酒運転の上、埼玉県三郷市で小学生4人をひき逃げする事件が発生したほか、ペルー国籍の男が三重県亀山市の新名神高速道路を逆走、対向車に衝突して逃走する事件も起きました。
このような状況もあり、手続きの厳格化前に外免切替をおこなった外国人による重大事故の発生も懸念されています。
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外免切替の手続きをめぐっては、SNS上で「知識確認は日本語で、日本人と同じ95問のテストを受けさせるべき」「厳格化前に外免切替で日本の免許を取得した外国人に対しても何らかの措置をとってほしい」などの声が上がっています。
今後は外国人運転者による事故の発生状況をふまえながら、外国人運転者への交通ルールの周知や制度運用の検証など、必要な対策を講じていくことが求められます。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

















