池袋の明治通りが「信号ゼロ」に!? 夢の「環5」バイパス工事が進行中!「歴史的な橋」の現場で目にした“異色の作業”とは
交通飽和状態の明治通りを補完する「環状第5の1号線」雑司が谷工区が建設中です。現場はいまどうなっているのでしょうか。
工事進行中の「雑司が谷バイパス」
東京の副都心エリアを走る「明治通り」ですが、渋谷や新宿、池袋といったターミナル駅の近くを走る際はよく渋滞に悩まされる、と感じているのではないでしょうか。
明治通りのこうした慢性的な交通状況を緩和するため、約14kmの都市計画道路「環状第5の1号線」の事業が進んでいます。
明治通りをそのまま拡幅する区間もありますが、独立したバイパスを建設する区間もあり、渋谷~池袋ではおおむね東京メトロ副都心線と同じような経路となっています。
バイパス区間のなかには、千駄ヶ谷エリアなどすでに開通し、従来より所要時間が短縮したルートが存在します。一方で、前述のように現在進行で建設中の場所が「雑司が谷工区」です。
雑司が谷の建設部分は、ほとんどがトンネルです。池袋側から進むと、東池袋交差点を過ぎてすぐに地下へ入り、東京初の立体交差といわれる「千登世橋」を過ぎたあたりで地上に戻り明治通りと合流します。
さて、北側のスタート地点である東池袋交差点は、サンシャインシティや難関女子校として知られる豊島岡女子高校・中学校、そして豊島区役所があります。
豊島区役所は全国初の民間高層マンションと一体開発された建物で、2015年に完成した比較的新しい建物です。庁舎の屋上は入場無料の広場となっています。ここから雑司が谷工区の現場が一望できます。
といっても、その大半はトンネルで、入口以外はあまり全貌が見えません。しかし、地上には本線トンネルとは別に側道が整備され、沿線地区とのアクセスを担うことになります。こちらも徐々に姿を現しつつあります。
トンネル工事の現場にあった掲示には「令和10年(2028年)3月の完成を目指し、工事を進めております」と明記されており、予定通り進めば3年半後にこの新しい道路を走れるようになるでしょう。
環状第5の1号線は、トンネルに入ってしばらくすると、都電荒川線(愛称:東京さくらトラム)の線路が地上で合流します。さらにトンネルの下には副都心線の線路も走っています。
都電荒川線の鬼子母神前駅のあたりまでくると、工事看板には「都電荒川線の軌道仮受工事を行っています」という見慣れない文言が。いったい何の工事なのでしょうか。
建設を担当する東京都建設局第四建設事務所に聞くと、次のような答えが返ってきました。
「目白通りの下を掘削するため、掘削開始地点まで地上から立坑を築造しますが、その穴が原因で都電の軌道が崩れないよう、事前に仮受けするための杭や桁を設置する工事を行っています。交通局が工事を担当しています」
目白通りの地下を抜けたトンネルは、明治通りの中央部で地上に顔を出します。今後、そのトンネル出口の建設が行われる予定です。
なお、都電荒川線脇の道路は以前、目白通りと接続していましたが、工事をしている現在は通行止めとなっており、歩行者しか通り抜けられません。注意しましょう。
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