トヨタ公開の斬新「和製スポーツカー」が凄い! 3.3リッターの「V型6気筒エンジン」にハイブリッド搭載! 画期的「3人乗りシート」採用した超パワフルな「アレッサンドロ」とは
かつてトヨタが発表した「アレッサンドロ・ボルタ」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
トヨタの「斬新スポーツカー」は超パワフルな「ハイブリッド」搭載!
かつてトヨタは、スイスで開催された「ジュネーブモーターショー2004」にて、「アレッサンドロ・ボルタ」という個性的なコンセプトカーを出展しました。
このアレッサンドロ・ボルタとは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。
アレッサンドロ・ボルタは、トヨタが、イタリアのデザイン会社「イタルデザイン・ジウジアーロ(以下、イタルデザイン)」と共同開発したスポーツクーペです。
イタルデザインを設立したのは「ジョルジェット・ジウジアーロ」という人物で、1968年に日本人の企業家「宮川秀之」と、名人級の板金技術者「アルド・マントヴァーニ」の協力を受けながら設立しました。
またイタルデザインは、トヨタ「カローラ(5代目モデル)」や、日産「マーチ(初代モデル)」、ダイハツ「ムーヴ(2代目モデル)」など、日本でもメジャーな車種のデザインを数多く手掛けています。
2010年には、フォルクスワーゲングループの一員である「ランボルギーニ」が、イタルデザインの株式90.1%とブランド名および特許技術の使用権を取得し、2015年には残りの株式が「アウディ」に売却され、ジョルジェット・ジウジアーロは会社を去りました。
今回取り上げるアレッサンドロ・ボルタは、そのような経緯を持つイタルデザインに、まだジョルジェット・ジウジアーロが在籍していた時代の作品です。
アレッサンドロ・ボルタのボディサイズは、全長4358mm×全幅1925mm×全高1145mm。
エクステリアは、いわゆるガルウィング(正式名称はシザースドア)を採用していることと、マフラーがリアではなくサイドから出ている点が特徴です。
インテリアは横並びの3シーターのシートレイアウトを採用しており、またハンドルとペダルボードが横にスライドすることで、右・真ん中・左のどの席に座った人でも運転できるという、画期的な構造となっています。
パワートレインは、当時のレクサス「RX」(海外仕様「ハリアー」)の2代目モデルと同じ3.3リッターV型6気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドユニット「THS2」を搭載。
最高出力はRXの268馬力から134馬力アップした402馬力を発揮し、0-100km/加速は4.06秒、最高速度は250km/h以上、航続距離は約700kmを誇ります。
また上記のエンジンは後輪に直接接続しておらず、後輪の車軸の後ろに配置。さらに前後それぞれの車軸に1つずつ電気モーターを取りつけた4輪駆動という仕様でした。
今でこそEVやハイブリッドのスポーツカーは珍しくありませんが、2004年当時で地球環境にも配慮したスポーツカーというのは、非常に画期的なアイデアでした。
「レーシングカーのような形状を持ちながら、環境に優しいクリーンなシステムに対応できれば、将来そのようなセダンやコンパクトカーを簡単に設計しつづけることが可能になる」
そんな思いを込めて、このコンセプトカーには“バッテリーを発明した物理学者”である、アレッサンドロ・ボルタの名がつけられたのです。
そんなアレッサンドロ・ボルタですが、約20年が経過した現在も残念ながら市販化はされておりません。
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未来のクルマに懸ける思いから生まれたコンセプトカー、アレッサンドロ・ボルタ。
あえてもっとも難しそうなスポーツカーで電動化をやってみせることで、通常のセダンやコンパクトカーといった量産車で再現するハードルを、グッと下げたクルマだったのではないでしょうか。
ジョルジェット・ジウジアーロが退職して約9年が経過していますが、EVやハイブリッドのスポーツカーが一般的になった現代のクルマ社会を、一体どのように見ているのか気になるところです。
あー、いつもの過去ネタかと思いきや…最後上手く纏めましたね。
記事の纏め方一つで個人的には学び甲斐のある良記事になると思った。
トヨタのエンブレムは必要なしデザインが台無し!