新東名「乗ったらすぐブツ切れ」なぜ? 神奈川~静岡の残念な「未開通区間」工事はどこまで進んでいるのか「東名の大渋滞」の救世主に高まる期待
首都圏から東海エリアをむすぶ新東名高速道路は、まだ完全に出来上がっていません。どこが未開通で、いつ完成を迎えるのでしょうか。
東名の「パンク状態」救う? 新東名の「神奈川~静岡」区間
首都圏から東海エリアをむすぶ新東名高速道路は、まだ完全に出来上がっていません。どこが未開通で、いつ完成を迎えるのでしょうか。
新東名の起点は、圏央道の海老名南JCTです。計画ではそこから東名高速に並行し、愛知県の豊田東JCTまで達することになっています。全長は254.2kmです。
しかし、海老名南JCTから新東名を走ると、新秦野ICまで来たところで、突然「ブツ切れ」状態になってしまいます。そこからは高速道路がありません。
新東名は、県境を越えて、静岡県の新御殿場ICから再開します。そのあいだは国道246号を使わざるを得ないので、現在は新東名の伊勢原~新秦野の利用者は少ないままで、長距離ドライバーはやはり最初から東名を利用します。
新秦野~新御殿場の「途切れた区間」は、まだ工事中の段階です。完成めどは2027年度となっています。
この県境部は道路網のボトルネックとしてクルマが集中し、行楽シーズンをはじめとして大渋滞スポットです。東名の秦野中井IC付近は、渋滞の名所にもなっています。
もし新東名が全通すれば、この区間もかなり新東名へ交通分散し、混雑緩和が期待できるでしょう。
さて、なぜ新秦野~新御殿場の開通が最後までまだ終わっていないのか。それは、県境部の山岳トンネルなどが、難工事となっているからです。
最大の難所となっているのは、神奈川県松田市と山北町にまたがる「高松トンネル」。延長2800mを越える長大トンネルですが、断層破砕帯を越えるなど、地質的に難しい一帯を抜ける必要があります。
掘削面の崩落や湧水の発生など、思わぬトラブルに対処し、安全に施工するためにさまざまな対策をおこなうなど、慎重な工事が進められています。
そうした背景もあり、開通予定は2020年から2023年度、そして2027年度と、2回の延期がありました。
高松トンネルの掘削は、昨年11月時点で上り線が1518m、下り線が1372mまで完了。その後も掘削作業が続けられています。
そのほかの工区では、中津川橋、湯船高架橋、小山PA・スマートICなど、構造物が着々と完成に近い形になってきました。
そのなかでも目を引くのが、山北町の谷をまたぐ「河内川橋(仮称)」です。巨大なアーチ橋は長さ771m、高さ120mにおよび、2本の橋脚から少しずつ橋桁とアーチが伸びていき、互いにつながろうとしているのが、すぐ近くの東名からも目にすることができます。今ではこの工事現場は東名利用者にとって名所にもなっていて、SNS上でもその現場写真が多数投稿されています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。