ボンネットの「謎の穴」何のために存在? スバルの「最新モデル」も設定している「ダクト」が今も必要な理由とは
スバル車の「ダクト」実は2種類ある!?
SUBARUのターボ搭載車には、全てエアインテークが搭載されています。
スバルのターボ搭載車には、実は全てエアインテークが搭載されています。
搭載場所は2パターンあり、ボンネット上にインタークーラーが設けられている「ボンネット上置き(フードダクト)」型と、エンジンの前にインタークーラーがある「前置き(インナーダクト)」型に分かれています。
「ボンネット上置き」型は、ボンネットに穴が空く昔ながらのタイプです。これにはメリットがあるといいます。
「上置きのメリットは、ボンネット中央の負圧が発生する部分にエアインテークを配置することで、効率的に空気を取り込める点です。特に低中速域(100km/h以下)では、前置き型のインタークーラーよりも優れています。
また、前面衝突時の安全性能を損なわずに設置可能であり、スバル特有の水平対向エンジンのインマニ後方スペースを有効活用できるのも利点です」(スバル担当者)
さらに、インタークーラーを通過した空気の流れをトランスミッションの冷却にも活用できるため、冷却性能が全体的に向上します。
また、先述のように高性能をデザインで表現できるメリットがあります。
しかし、ボンネット上置き型にはデメリットも存在します。
高速域(100km/h以上)では、ボンネット表面の空気流が剥離し、冷却性能が低下する可能性があります。これを改善するためにダクトの高さを上げると、反対に風切り音の増加やデザインへの影響が懸念されます。
また、スペースの制約から、インタークーラーの容量を確保しにくいという課題も。
一方の「前置き(インナーダクト)」型は、ボンネット上に開口部をもたないものです。メリットについて先出のスバル担当者は以下のように話します。
「(メリットは)フードデザインをシンプルに保てる点です。また、車速にかかわらずインタークーラー通過流速を確保しやすいという利点があります。また、前面衝突性能を悪化させることなく設置可能です」
ただし、前置き型にもデメリットがあります。フード下にダクトを通すため、フード前端の高さが一定以上必要となり、車両デザインに制約が生じます。
そのため、フードに十分な高さがあるレガシィやアウトバック、フォレスターのような車高が高いモデルで採用され、デザインと機能を両立させることが可能となっています。
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