クルマに置いてた「スマホ」盗まれた! “車上荒らし”で「盗難」は補償される!? 「自動車保険」はどこまで「まかなえる」のか

クルマは身近な存在だからこそ、つい私物を車内に置きっぱなしにしがち。ですが「車上荒らし」被害に遭ったとき、自動車保険で“私物”まで補償してもらえるのでしょうか。

「車上荒らし」といってもさまざまなケースがある

 たびたびニュースをにぎわす「車上荒らし」。「自分のクルマは大丈夫」と油断していると、新手の方法であっさりとドアを開けられ、車内に置いてあった大切な身の回り品を持ち去られて茫然(ぼうぜん)自失……などということになりかねません。
 
 そんなとき、自動車保険をかけていれば「すべて」補償されるのでしょうか。

「車上荒らし」で被害に……! どこまで「補償」されるのか!?[画像はイメージです]
「車上荒らし」で被害に……! どこまで「補償」されるのか!?[画像はイメージです]

 まず“車上荒らし”とは、自動車に関する窃盗事件の中でも、車両そのものではなく車両の一部(パーツ)やカーナビ、車内に置いてあった身の回り品、積載物などが窃盗されることを指します。

 ただし車上荒らしと聞くと、言葉の印象から、窓ガラスが大胆に割られていたり車内が荒らされていたりする状態を想像します。

 しかし自動車保険の代理店業を30年間以上営んできたTさんは、次のように説明します。

「大切な愛車を守ろうとセキュリティを付けていても、それが鳴らず、車載カメラにも何も写っていないのに、人気のパーツだけが盗られてしまうケースは多くあります」

 また「車上荒らしでターゲットになるのは、人気車種のパーツ(外装、内装を問わず)が多いのですが……」と前置きをしたうえで、次のような例を教えてくれました。

「実際に、『車両はいつも停める駐車場にあって外装には傷が一切ついておらず、ドアも施錠されているのに、後部のトランク内に入れてあった高額なゴルフバッグだけが持ち去られていた』とか、『車内の小銭入れにあった硬貨だけを何度も盗られていた』というケースもありました。

 近年では窃盗団が“特定の人気車種”を狙って車上荒らしをすることも多く、そうしたケースでは同車種の扱いが手慣れているため、持ち主が思いつく限りの最新セキュリティ対策を講じていても、盗まれてしまう傾向もあるようです」

 ここで本題に戻りますが、車上荒らしで盗まれてしまったものは、自動車保険で補償してもらえるのでしょうか。

 前出のTさんは次のように話します。

「まず、車両保険に入っていれば、車両に固定されていたパーツが盗まれた場合には補償されます。

 また、車上荒らしをしようとこじ開けられた鍵穴や、割られた窓ガラスなどももちろん車両保険の補償範囲内です。

 カーナビは、ポータブルではなく車に固定して使用するものなら純正以外も補償の対象になります。

 タイヤも同様で、車に装着しているものだけが補償対象となりますが、取り外して車内に保管しているものが盗まれた場合は補償対象外です」

 車両保険では、あくまでも「車両の一部」が傷つけられたり、盗まれたりした場合に限って補償してもらえるというわけです。

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