高速“大渋滞”区間に「謎の”追加”車線」なぜある!? 走っても「イイ」? 実は「いつでも使える」ってマジ?

東名高速道路の渋滞区間「大和トンネル」付近には、通常の3車線とは別にもうひとつ「付加車線」と呼ばれる第4の車線があります。いつも空いているイメージですが、果たしていつ使えば良いのでしょうか。

渋滞区間の「交通容量」を増やす「付加車線」をもっと活用しよう

 東名高速道路のなかでも1、2を争う大渋滞区間である「大和トンネル」(神奈川県大和市)付近。その前後、横浜町田ICと綾瀬スマートICの間には、もっとも左側に「付加車線」とよばれる第4の車線が上下線ともに設置されています。
 
 ただその他の車線が混んでいても、付加車線だけは「ガラガラ」という状況がしばしばあり、「走って良いのかわからない」というドライバーも多いはず。いつ使うのが正しいのでしょうか。

東名道の“大渋滞”区間にある「謎の車線」とは[画像はイメージです]
東名道の“大渋滞”区間にある「謎の車線」とは[画像はイメージです]

 2021年7月から一部運用(上り線約3km、下り線約2km)が始まっている東名高速の大和トンネル付近の付加車線。

 下り線についてはさらに横浜町田ICの加速車線を延伸するかたちで、2022年11月から約0.5kmの付加車線の運用が始まっています。

 かねてより東名高速の大和トンネル付近は「渋滞の名所」として名高く、この付加車線は交通容量を増やし渋滞を緩和させることを目的に設置されたものです。

 そのため付加車線は、本線車道が渋滞している・していないに関わらず、積極的に利用するべき車線。利用時間帯などの規制もありませんので、いつでも、どのようなクルマでも通行することが可能です。

 この東名高速の付加車線には、トラックのマークが描かれた看板が設置されています。

 これはトラック専用道路であることを意味しているのではなく、遅い車両を優先して付加車線に流すことを意図しているといいます。つまり「登坂車線」のような位置づけに近いのでしょう。

 言い換えれば、遅いクルマに付加車線を使って欲しいというのが、NEXCO中日本の意図のようですが、現状は本線車道が渋滞していても付加車線はガラガラで、それを良いことに付加車線を速い速度でかっとばしていくクルマも。

 しかしながら現状の付加車線は、前述したように2~3kmと距離が短いため、付加車線に車線変更してもすぐに本線車道に戻らなければなりません。

 空いている道ならまだしも、常に交通量の多い当該区間では、車線変更をできる限りしたくないドライバーは少なくないと思われ、特にトラックやゆっくり走りたいドライバーにおいてはそう考える人は多いと思われます。

 もしも、車線変更をどんどんしていくドライバーが多い「追い越し車線」側に付加車線が設置されていたならば、もうすこし状況は違っていたかもしれません。

 残念ながら付加車線を通行するクルマは少なく、運用開始から3年が経過するいまもあまり上手な活用がされていない、というのが現状といえます。

※ ※ ※

 繰り返しになりますが、付加車線は「渋滞緩和のための車線」です。

 混んでいる・混んでいないに関わらずどんどん利用すべき車線なので、ガラガラでも堂々と通行して大丈夫です。

 ただし速度規制を超えて走るのは、当然ながら交通違反となります。

 特に渋滞時は最高速度が規制(抑制)されていることもあるので、標識も良く確認しながら安全な速度で正しく利用しましょう。

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